LEXUS TEAM SARD RACE REPORT

 DENSO DUNLOP SARD SC430
 第4戦セパン、我慢のレースを10位でフィニッシュ

2010 SUPER GT 第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」(6/20-21)
セパンサーキット(1周5.542km)
観客動員:予選5,200名、決勝27,500名 合計32,700名

 6月20日(日)、SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝が行われ、13番グリッドからスタートしたDENSO DUNLOP SARD SC430は淡々とペースを守って我慢の走行。アンドレは他車が大きくタイムダウンするのを尻目に堅実なレースを展開した。交代した平手も他車がペースを乱す間隙をぬって追い上げた。安定したペースの平手は、途中24号車を抜き去り一時9位にまでポジションアップを果たした。その後、厳しくなったタイヤでスピンを喫したがレース終盤のサバイバル戦を最後まで戦い抜き走り切った。結果、総合10位でフィニッシュとなり、ドライバーポイントでは1点を獲得しランキング11位(計8点)、チームポイントでは4点を獲得し11位(計16点)となった。次の第5戦は7月24日(土)・25日(日)にスポーツランドSUGOで300kmレースとして開催される。

公式練習走行
 2010年シーズン序盤3戦を終え、開幕戦こそ5位となったが、続く2戦は10位とリタイアと苦境に陥っているDENSO DUNLOP SARD SC430。予選での速さはライバル勢に追いついてきた感はあるが、ここにきて決勝のペースが思うように上がらず苦戦し、シリーズランキングは現在10位。中盤戦の始めとなる第4戦は、シリーズ唯一の海外戦であり、赤道間近の灼熱の国マレーシアはセパンサーキットが舞台。今季戦いの仕切り直しといった節目の一戦であり、ここで多くのポイントを稼ぐことがこれからの戦いに影響する。

 今回DENSO DUNLOP SARD SC430は、比較的軽めの14kgのウェイトハンディを搭載。重量増によるタイムの落ちは40kgで0.6秒強。我々が今季テストで走行をしていないコースであり、酷暑によるコンディションの悪化もさることながら途中のスコールにより混乱が起こりやすい。またレース終盤、酷使されたブレーキやタイヤに厳しいコースでもある。混乱の展開の中で勝機が巡ってくると睨み、勇猛果敢に攻めていった。

 19日(土)の天候は晴れ。10時からの公式練習走行開始時は気温31度/路面温度36度で蒸し暑い陽気。まずアンドレが1周クルマのチェックを行い、再度コースイン。クルマのバランスなどを確認した。フロントのフィーリングはまずまずであったが、まだ路面状況が良くないのかリアがナーバスとのこと。リア周りの調整を行い数周を走行。続いて12周目から別のタイヤを装着し感触を確かめた。ここでアタック周で前が詰まってしまいタイムロス。ベストアタックには及ばなかった。その後、15周目から平手と交代。アンドレが確認したタイヤで平手もロングランなどフィーリングを確かめた。公式練習走行はトータル32周を走行し、アンドレのマークした2分00秒465の11番手タイムとなった。

公式予選
 19日(土)14時15分からの公式予選1回目には気温34度/路面温度47度と日差しの厳しい灼熱の暑さとなった。最初の混走セッション30分間でまずは両ドライバーとも基準タイムをクリア。アンドレはクルマのフィーリングが良好であるとコメント。高速コーナーでアンダーが強く、リアウィングを調整したことで、平手はアンダー傾向が減りタイムが向上したとコメントした。このセッションのベストは2分00秒846の13番手となった。

■公式予選1回目GT500単独セッション:
気合いのアタックを見せたアンドレ、タイムアップするも一歩及ばず
 14時55分からGT500クラス10分間の単独セッションが、気温32度/路面温度44度の中で開始。各車は、より良いポジションを得るべくタイミングを図ってのコースイン。今シーズンの予選は僅差の戦いが展開されていることから、各車このセッションはスーパーラップ進出を確実なものとするため、ソフト系のタイヤをチョイスする。DENSO DUNLOP SARD SC430も、もちろんソフト系を装着して、アタックドライバーのアンドレが残り6分ほどの時点でコースイン。同時にLEXUS勢を始め他車もコースインを行った。

 アンドレは、先ほどミディアム系のタイヤで59秒半ぐらいは出るセクタータイムをマークしていたので、目指すは58秒前半のタイム。自己セクターベストをマークしていったが、ソフト系が今の路面状況に合わないのか思うようにタイムが上がっていかない。コースイン3周目に1分59秒315の10番手タイム。アンドレは、続く4周目もセクター1のタイムを更新する気合いの走り。しかし、グリップダウンが始まってしまいセクター2は更新ならず。セクター3も自己ベストからは落ち込んでしまい、万事休す。アンドレは練習走行からタイムアップして見せたが、他車はそれ以上にタイムアップを果たし約0.6秒差でDENSO DUNLOP SARD SC430はスーパーラップ進出を逃す公式予選13位となった。

決勝
■フリー走行
 20日(日)決勝前のフリー走行開始時点は、気温32度/路面温度39度でこの週末で一番の暑さを感じる晴れ。10時45分にコースインが始まり、スタートを担当するアンドレがステアリングを握った。周回の多いユーズドタイヤで7周走行したアンドレは、3周目に2分00秒894をマーク。続いて8周目からステアリングを握った平手の頃にはタイヤも厳しい感じとなった。フリー走行ではトータル15周を走行。アンドレがマークした2分00秒894の11番手タイムとなった。サーキットサファリの時間帯ではいつも通りピットワークトレーニングを行い、16時(日本時間17時)スタートの決勝へ向け準備を整えた。

■決勝スタート
 20日(日)夕方16時のスタートとはいえ、気温34度/路面温度41度とジリジリと容赦なく照りつける強い日差しと蒸し暑さの中、かなり厳しいコンディションでのレースとなった。各チームとも最初のスティントのタイヤの持ちを心配する中、予選最後尾となる13位のDENSO DUNLOP SARD SC430は安定感を武器に上位を狙うべくグリッドについた。

自己ペースを守って我慢のアンドレ
 セパンは1〜2コーナー部分が回り込んだ狭い逆S字。うまいスタートを切って前をかわしかけたアンドレであったが、その逆S字コーナーでの18号車のスピンで前を塞がれた状態となったアンドレは行き場を失い、後方集団の隊列から離れてしまい、序盤からハンディを背負ってしまった。2分01秒台のペースを守って走行するが、前とのギャップはなかなか詰まらない。しかし、他車はスティント後半でタイムダウンを余儀なくされるとみて、淡々とペースを守っての我慢の走行に徹していった。20周を過ぎる頃になると案の定、他車はペースが落ち、余りペースの落ちなかったアンドレは、堅実に差を詰める走りをみせた。だが多くの車両がピットインを始めた25周目過ぎにアンドレのペースも大きく落ちてしまい、27周を終え平手と交代すべくピットインとなった。

一時9位にポジションアップの追い上げをみせた平手
 今回もミスのないピットワークで平手を送り出す。平手はプッシュをかけつつ安定した走りで前を追い上げた。36周目頃から接触したりペースを乱す上位陣の間隙をぬって、ペースの落ちない安定した走りの平手は前を行く24号車を射程に収めた。15秒近くあったギャップを50周目にはゼロとし、52周目のバックストレートで並びかわして9位にポジションアップ。引き離しにかかると同時に、前は平手よりペースが遅いことから、さらに順位を上げるべく、平手のレースでの追い上げの強さに期待がかかった。だが53周目のヘアピンでもう限界近くなったタイヤで痛恨のスピン。今年は暑さが最後まで続きレース終盤はクルマにもドライバーにも厳しいサバイバル戦となったが、最後まで戦い抜いたDENSO DUNLOP SARD SC430は、総合10位でのフィニッシュとなった。

 ドライバーポイントで1点を獲得しランキング11位(計8点)、チームポイントで4点を獲得しランキング11位(計16点)となったDENSO DUNLOP SARD SC430。まだまだ他車とのギャップはあるが、確実に差は詰めてきている。次の第5戦は7月24日(土)・25日(日)にスポーツランドSUGOで300kmレースとして開催される。

アンドレ・クート
「スタート直後で前を塞がれてしまってタイムロスしたのがピットインの時まで響いてしまった。ハード系のタイヤでスタートしたから他のクルマと比べて序盤の速さは無かったけど、ラップは安定していた。大きくグリップダウンしてからピットインをしようとしたけど、隣のピットが修復作業中で数周入るタイミングが遅れてしまったのもちょっとロスしたかな。特別な速さはまだ見せられていないけど着実に我々は進歩している。次のSUGOに期待して欲しい」

平手晃平
「アンドレと同じタイプのタイヤで走りました。前に僕らよりも遅いペースのクルマもあったのでプッシュを続ければチャンスが来ると思ってました。一旦抜いた24号車にスピンで順位を戻してしまいましたけど、最後まで走れたことで次回のSUGO、鈴鹿へ向けた夏の2戦への良い点も見えたと思います。次のSUGOは昨年2位だったので、その上を狙います」

菅野純博監督
「厳しいレース展開が予想されましたが、ドライバーの頑張りで何とか1ポイントを獲得できました。予選も決勝もその差はあと僅かという感じですが、その差は見た目以上に大きな壁かと思います。次のSUGOまでの間はテストがないのですが、今回の結果をしっかりと分析して役立てたいと思います。引き続き温かいご声援のほどお願いいたします」

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