DUNLOP SARD SC430
新生・鈴鹿、波乱の決勝は10位でフィニッシュ

2009 SUPER GT 第2戦「KEIHIN SUZUKA 2&4 RACE」(4/18~19)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
観客動員:予選22,000名、決勝35,000名 合計57,000名

4月19日(日)、新生・鈴鹿サーキットにて2009 SUPER GT第2戦「KEIHIN SUZUKA 2&4 RACE」の決勝が行われ、14番グリッドからスタートしたDUNLOP SARD SC430。レース終盤接触が多発する混乱の状況から大きなクラッシュアクシデントが発生。セーフィティーカーが導入され、結果は総合10位フィニッシュとなった。ドライバーポイントでは1点を獲得しランキング12位に、チームポイントでは4点を加算し計5点とこちらもランキング12位となった。次の第3戦は5月3日(日)・4日(祝・月)に富士スピードウェイで400kmレースとして開催される。

決意を新たに臨んだ開幕戦岡山は、セッション毎にトラブルに襲われるという厳しい戦いとなったDUNLOP SARD SC430。続く第2戦はグランドスタンドやピット/パドック施設が改修された新生・鈴鹿サーキットが舞台。コースレイアウトに変更はないが、最終シケインからダンロップコーナーまでの東コースの舗装が新しくなっている。鈴鹿はチームの本拠地からも近く、また今季加入した平手晃平の地元も近い。関係者やサポーターも多く来場し、ホームコースとも言える環境の中で本来の力を出し切れるか、今季序盤の戦いで伸るか反るかの重要なレースとなる。特に平手はフォーミュラニッポン開幕戦でポールポジションを獲得し、勢いに乗っている。アンドレも先日行われたもてぎでのタイヤメーカー合同テストで非公式ながら2番手タイムと負けてはいない。新生SUZUKAでのオープニングレースに華を添えるべく、チームメンバー全員が意気軒昂、気持ちを高く意気込み盛んで臨んでいる。

18日(土)午前中の公式練習走行の天候は曇り。今回は2輪のレースと同時開催のため、いつもより朝早い8時25分から開始された。セッション開始時は気温18度/路面温度19度。アンドレがまずコースインし東コースの新しい舗装の状況やセットアップを確認。バンピーな旧舗装部分で路面と底がタッチするとのことで車高などの調整を行った。まだ路面グリップが少ないセッション序盤で1分57秒086のその時点で12番手タイムとなった。その後、クルマのスプリングをハード方向に調整。路面グリップも上がって、ある程度のセットが確認出来たことから続いて平手に交代。平手はユーズドタイヤながら速いタイムを刻み、特にセクター2、3で良い走りを見せた。午前中の公式練習走行は、アウトのインを含めトータル32周の走行となった。

18日(土)11時20分からの公式予選1回目開始時点は、気温は21度/路面温度33度に。心地良い南からの海風が吹く爽やかな快晴となった。午前中の公式練習走行では、まだドライバーが満足行くセットを見出し切れていない中で、セッション前半は平手によるセットアップ、その後アンドレにアタックさせることとした。スーパーラップ圏内の8位以内確保が目標となる公式予選。まずは平手がいくつかのセットを試しながら予選基準タイムをクリア。S字の切り返しで良いフィーリングで130Rなどの高速コーナーも全般的に良いと平手がコメント。ブレーキング時の姿勢変化をさらに試して良いセットの方を選択した後、単独走行でアタックするアンドレがフィーリングチェックのため交代した。混走残り数分でチェックを行ったアンドレ。混走最終ラップでは、「平手によるセットアップで良いフィーリングで、つい行き過ぎた」とコメントするコースオフのオマケもつけた。

DUNLOP SARD SC430、スーパーラップ進出ならず
今回の予選は10分間と短く、2アタックする時間もない。残り8分を切ったところで、アンドレが真っ先にコースイン。前後ともクルマのいないクリアの状態でのコースインタイミングを選んだ。アンドレのコースインを口火として全車がコースイン。緊張の予選1回目が始まった。20秒ほど速いタイミングで走行するアンドレ。各セクターで自己ベストをマークし、タイム更新が明らかなDUNLOP SARD SC430。3周目に1分55秒664の4番手タイム。しかし、他の各車もタイムアップするのも明らか。どのぐらいの位置に収まるかスタッフの視線がモニターに集まった。S字のセクター1のタイムは他車に負けてはおらず速い方であったが、後半のタイムが伸び悩んだアンドレ。結果は次々とアンドレのタイムを他車が上回っていき、バンプアウトされたDUNLOP SARD SC430は、総合14位となった。

■フリー走行
19日(日)決勝日朝は気温23度/路面温度28度の快晴。初夏を感じさせるほどの夏日となりそうな気温の上昇となった。8時50分からフリー走行が30分間行われた。昨日からはドライバーが改善を要求していたポイントを修正。また路面コンディションの変化もあったがセットが良い方向に進んでいるのを裏付けるかのように、満タンでユーズドタイヤながらアンドレが1分55秒827の4番手タイムをマークしてみせた。その後も混雑せずクリアな状態では良いペースで走行。交代した平手もほぼ同様のタイムで周回を重ね、決勝の走りに大きな期待がかかる走りとなった。フリー走行後のサーキットサファリでは主にピットワーク練習を行い、決勝への準備を万端整えた。午後の決勝は7列目14番グリッドの後方からの追い上げを期して臨む。

■決勝スタート
19日(日)午後のスタート時には路温が上昇。気温23度/路面温度38度の中で整然としたスタートが切られた。スタートドライバーを務めるアンドレは、前車の背後につけ上位陣と同様のペースでラップを重ねていく。スタート直後、1周目のシケイン入口で1台パス。チャンスを窺いながら走行を続け、さらに順位を大きく上げようとコースをワイドに使用し2台を抜きにかかった時、その他車に接触されるも12位に上昇。この頃からGT300をラップする状況となったためペースダウンが始まってしまったが、10周目に11位との差を詰めて追い抜きにかかるがブロックされ12位のまま。しかし、その間に後続の別のクルマにギャップを詰められ、16周目1コーナー侵入でオーバーテイクを許す緊迫した攻防が続いた。レースはトップからほぼ数珠つなぎの予断を許さない序盤の緊迫した展開となった。

思わぬ緊急ピットイン
17周目のタイムがGT300を抜いてのロスにしては、かなり大きくペースダウン。そしてアンドレからタイヤが厳しい状況との無線が入った。既に17周を完了しており、最低の運転義務周回はクリアしていることから、タイヤ交換のため緊急ピットインとなった。この周、リアタイヤのグリップをまったく失っており、なんとかコースにとどまってはいたが前の周と合わせて20秒ほどのロスでのピットインとなった。ピット作業では前後のタイヤ交換と給油で45秒と10秒ほど余計にかかってしまい、のべ30秒ほど失いながらも何とか戦列に復帰した。

平手が果敢な追い上げを見せる
予定よりも10周近く早いタイミングでのピットインを強いられたDUNLOP SARD SC430であったが、平手はピットとの情報交換をしながら果敢な走りでここからの挽回にかかった。何が起こるか分からないのがレースであり、最後まで諦めない姿勢を平手の無線から受け取ったチームは、他車の戦況とレース展開の情報やり取りを密に行っていった。途中、前走車とのギャップが広がる場面もあったが毎周のようにギャップを削る平手の走りは、沈む雰囲気のチームに奮起を呼び起こした。

残り周回数が10周を切ったときには、前走車との差を15秒ほど縮め渾身の走りを続けた平手。そしてレース終盤、至るところで小競り合いの接触が起き始め混乱の展開となった48周目周回中に、その何かが起こった。シケイン手前で大きな多重クラッシュが発生。セーフティーカーが導入されることになった。失ったロスは一旦ここでクリアされ、前とのギャップが無くなることに。もし、セーフティカーが52周完了前に退去となれば、そこからゴールまでの再び一斉スタートになる。今の平手の走りを持ってすれば、順位を上げることは可能。だがレースコントロールはレース再開は危険と判断し、セーフティーカー先導によるフィニッシュで混乱の第2戦が幕を閉じる結果となった。

新生・鈴鹿での第2戦は混乱の中で最後まで走りきり総合10位でフィニッシュ。ドライバーポイントでは1点を獲得しランキング12位に、チームポイントでは4点を加算し計5点とこちらもランキング12位となった。次の第3戦は5月3日(日)・4日(祝・月)に富士スピードウェイで400kmレースとして開催される。

アンドレ・クート
「決勝のスタート直後は良いペースで走れていたのにリアのグリップを失ってしまい、残念な事態でコウヘイにバトンを渡す結果となってしまった。しかし、コウヘイが頑張ってくれたお陰で何とかポイントを獲得できたのは良かった。次は好きなコースの富士でもあるので、もっと大きなポイントを獲れるように頑張りたい」

平手晃平
「フリー走行の感触も良く、序盤の展開も良かったのでチャンスがあればと思っていたけれども、まあ次に期待してください。富士はアンドレも僕も走り込んでいるし、また好きなコースでもあるので精一杯の走りで良い流れを呼び込みたいですね。次回も応援のほどよろしくお願いします」

加藤 眞総監督
「開幕2戦を終え、ある面では良い状況もありますが、全体として満足いく結果をまだ得られておらず、公式練習走行からの走り出しの速さとタイヤ選択において納得のいく状態にすることが急務と感じています。それとレースは不測の事態が起こるのが常ですので、その点も注力して底上げが必要。問題の起こった時のフェイルセーフを更に細かくつめていきたいと考えています。次回富士はメーカーとしてのお膝元サーキットですので、力の限りを尽くします」
 

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