土日に1レースずつ行われるダブルヘッダー開催のIZODインディカー・シリーズのデトロイト戦。2日に第7戦の決勝レースが行われ、サイモン・ペジナウ(シュミット・ハミルトン)がインディカー初勝利を飾った。佐藤琢磨は、後方から追い上げるも24周目にクラッシュを喫し、23位でレースを終えている。

 サイモン・ペジナウがデトロイトのレース2でキャリア初優勝を飾った。予選6番手だった彼は、10台が絡むアクシデントを危機一髪で回避して勝利を掴んだ。レッドタイヤでスタートし、残りはブラックタイヤを2セット投入で走り切るというペジナウ陣営の作戦は的確で、土曜日同様にレースで好パフォーマンスを発揮したのはブラックタイヤの方だった。

「ホンダエンジンが素晴らしかった。チームの作り上げてくれたマシンは最高だったし、作戦も完璧だった。初勝利を挙げることができて本当に嬉しい。信じられないぐらいだ。ゴールする前の2周は、もう気持ちが高ぶってしまって、感情を抑えるのが大変だった」とペジナウは喜んでいた。

 キャリアベストとなる予選2番手からスタートしたジェイムス・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン)は、序盤の20周目にイエローコーションを利用して早めのピットストップを行った。上位を走っていた彼はこれでポジションを大きく落とすが、今週の彼はマシンの仕上がりが良く、安定した走りでコース上でのバトルで1台ずつ確実にパスしていった。

 そして最後は強敵マイク・コンウェイ(デイル・コイン)との戦いとなりながら、昨日のウイナーの攻撃を跳ね返し、キャリアベストとなる2位フィニッシュでインディカー初の表彰台に上った。

 3位はコンウェイ。2日続けて驚異的なスピードを見せたが、ソフトコンパウンドのレッド・タイヤでのパフォーマンスが今ひとつだった。レース終盤にブラック・タイヤにスイッチしてからのチャージは素晴らしかったが、ペジナウにはすでに大量リードを許しており、目の前を行くジェイクスも攻略できなかった。それでも、2日間に行われた2レース両方で表彰台に上る活躍を見せたのは彼ひとりだった。

 デトロイトのレース2の表彰台は、とてもフレッシュな顔触れとなった。シュミット・ハミルトン・モータースポーツはついに初勝利を獲得した。

インディ500で敗北したホンダが、1週間後にはシボレーの地元デトロイトで2レース両方を制し、しかも2レース目では表彰台独占。そればかりかトップ5までもがホンダ勢で占められた。4、5位はチップ・ガナッシ・レーシングのチャンピオンコンビ、スコット・ディクソンとダリオ・フランキッティが入っている。

 これで2013年のIZODインディカー・シリーズは、第7戦目にして6人目ウイナーが誕生した。3人目のキャリア初優勝ドライバーがデトロイトでは生まれた。チームとして見ても、7戦で5チームが勝利を記録する超の字がつく混戦状態だ。

 佐藤琢磨は、予選21番手から8位までジャンプアップした。序盤に起きたシモーナ・デ・シルベストロ(KVレーシング)のクラッシュによるイエローを利用し、早いタイミングでピットイン。ここでタイヤをブラックにスイッチする。ブラックをメインとする戦い方はウイナーとなったパジェノーと同じで、上位でのフィニッシュが期待できていた。

 しかし、24周目のターン3で琢磨はルーキーのトリスタン・ボティエ(シュミット・ピーターソン)と接触し、アウト側にいた彼はタイヤバリアへと弾き飛ばされ、レースを終えた。フロントノーズ、ウイング、そして右フロント・サスペンションが破壊。ピットに戻ってレースを続けることは不可能だった。

「残念な結果です。ボティエはあのアクシデント前のリスタート時点でのドライビングの方が問題でした。ペナルティを受けてしかるべき走りをしていたんです。しかし、彼は走り続け、接触が起きてしまった。本来ならあそこを走っているべきではないドライバーとぶつかってしまったんだから悔しいですよね」と琢磨。

 レース後に琢磨とチームはインディカーに抗議を資料とともに提出。琢磨は、ボティエとも話し合う機会も作り、ルーキーの何がどう間違っていたのかを説明していた。ランキング2位でデトロイト戦に挑んだ琢磨のポイントスタンディングは6位に下がっている。

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