第9戦 ミルウォーキー(ウィスコンシン州)
決勝(6月8日)7位:首位を独走しながら7位に終わる

 No.14ABCサプライ・ダラーラ・ホンダに乗る佐藤琢磨は、本日、ミルウォーキー・マイルで行われたミルウォーキー・インディフェストの決勝において抜群の速さを示して首位を独走しましたが、最悪のタイミングでイエローコーションとなったため、優勝のチャンスを逃しました。

 15番グリッドからスタートした琢磨はオーバーステアのためもあってレース序盤に順位を落としてしまいます。そこで21ラップ目にイエローが出ると、琢磨はピットに戻り、ウィングを調整してニュータイアを装着しました。この効果はてきめんで、69周目には初めてトップに立つこととなりました。

 琢磨は後続を引き離しただけでなく、91周目にピットインしても100周目にはまたトップに返り咲きました。その後もリードを広げると、157周に再びピットストップしたときはほとんど時間を無駄にすることなくトップに立ちました。琢磨はどこを走っていても圧倒的に速く、まるでレールの上を走っているようでした。

 ところが、190ラップ目のターン3からターン4にかけて、琢磨のマシーンは突然オーバーステアに転じ、不安定な挙動を示すようになります。このとき、マシーンはグレイ・エリアまでドリフトしていき、もう少しで壁に接触するところでした。それでも琢磨は首位の座を守りましたが、2番手を走るエリオ・カストロネヴェスとの差はぐっと縮まりました。

 ここまで際だって速かった琢磨は、7番手のスコット・ディクソン以下をすべて周回遅れにしていました。しかし、琢磨は無線でマシーンのどこかが壊れたのではないかと報告。このためチームは予定よりも12周早く200周目にピットストップを行うことにしました。

 ところが、不運にも211周目にイエローコーションとなり、琢磨が優勝する可能性は潰えてしまいます。213周目には6名のドライバーがイエローの状況でピットストップを行い、琢磨の前でコースに復帰しました。しかも、彼らはフレッシュタイアを装着したため、オーバーテイクするのは困難を極めました。

 それにくわえ、ハンドリングの状態はレース序盤とはまったく異なっていました。おそらく、これはコンディションの変化が原因だったと思われます。

 不運から順位を落としはしましたが、ミルウォーキーにおける7位という結果は、琢磨にとって過去最高位であるだけでなく、AJフォイト・レーシングにとっても1988年にフォイト自身が5位でフィニッシュして以来の好成績となりました。ABCサプライのメカニックたちは4回のピットストップを完璧にこなし、その所要時間は7.4~9秒に過ぎませんでした。琢磨は、もっとも多くの周回をトップで走行したことによる2点のボーナスポイントを手に入れるなどした結果、シリーズのポイントスタンディングで4位へと浮上しました。

 次戦は全長7/8マイル(約1.4km)のアイオワ・スピードウェイで開催されます。

佐藤琢磨のコメント
「なんてドラマが多く、エキサイティングなレースだったことでしょうか! 僕たちは徐々に順位を上げていき、ピットのたびにセットアップを調整することで非常に調子のいいマシーンに仕上げることに成功しました。レース中盤までには素晴らしい仕上がりになり、運転していても楽しくて仕方ありませんでした。マシーンはクリーンエアのなかを走っているときだけでなく、トラフィックのなかを走っていてもとても強力でした。レース終盤になってリアのグリップが突然失われたのはとても残念なことで、計算上ピットストップしてもいいタイミングがきたところでフレッシュタイアを装着し、反撃に打って出るつもりでいました。これには自信がありましたし、おそらく達成できたと思います。けれども、その後でイエローコーションとなり、僕たちはまだピットストップを済ませていないドライバーたちの後ろにつくことになりました。しかも、彼らはフレッシュタイアを装着していたため、反撃するのは極めて難しい状況でした。メカニックたちはすべてのピットストップで素晴らしい働きをしてくれました。今日はAJを笑顔にできる結果を残せると思っていたし、もう少しでそれを実現できるところでした。いずれにしても、とても素晴らしいレースでしたし、残念な結果でした。本当に悔しいですね」

(AJフォイト・レーシングのプレスリリースより)

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