ダブルヘッダーで開催されているベライゾン・インディカー・シリーズのデトロイト戦。31日に行われたレース1の予選は、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がキャリア39回目となる今季初ポールポジションを獲得した。佐藤琢磨は、セグメント1をクリアできず15番手からレースに挑む。

 今年もデトロイトでのレースはダブルヘッダーで開催される。ただし今年はスケジュールが変更され、走行初日の金曜日はプラクティスを2回行なうのみ。予選はレースと同じ日に行なわれることとなったのだ。

 今日は、午後3時50分スタート予定の第1レースに向けた予選が行われた。こちらの予選は通常のストリート/ロードコース用の三段階で争われる。
 
摂氏18度という涼しさの中、予選はスタートした。Q1のグループ1ではライアン・ハンターーレイ(アンドレッティ・オートスポート)が壁にヒットして最下位となった(予選結果としては21番手)。金曜のプラクティスで最速だったサイモン・ペジナウ(シュミット・ピーターソン・ハミルトン)は、ファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)のアタックを妨害したと判定され、2ラップ取り消しになった。予選順位は彼もまた17番手という後方に決まった。まだブラックタイヤを装着して走っていたセッション序盤、確かにペジナウの方が遅かったのだが、彼自身もアタックラップを行っている最中だった。

 佐藤琢磨はブラックで装着で走り始め、3周の計測を終えてピットへ。そしてレッドにスイッチしたのだが、セッション内での自己ベストとなったレッドデのアタック2ラップ目は1分18秒3689。0.0432秒の差でQ2進出を逃した。

 トップはカストロネベス。2番手は驚くべき速さを見せて来ているルーキーのジャック・ホークスワース(BHA)。3番手以下はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)、ライアン・ブリスコ(チップ・ガナッシ)、セバスチャン・ブルデー(KVSH)だった。そして、ペジナウにペナルティが課されたことにより、モントーヤがQ2進出を果たした。

 Q1のグループ2ではウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が何のトラブルもなかったのに早くも敗退し、予選16位となった。今回、グループ2の方が競争は厳しくなかったが、セッティングがまったく外れてしまっていたのだ。グループ2は路面も良くなっていたはずだが、トップだったマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)のタイムは1分18秒3715で、グループ1トップのカストロネベスより遅かった。グループ2の6番手はルーキーのカルロス・ヒュータス(デイル・コイン)だったが、彼のタイム=1分18秒5216は、グループ1で10番手だったジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)より遅かった。

 グループ2からのQ2進出組は、トップだったコンウェイ、2番手のジェームズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、3番手だったルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、4番手のグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)、5番手のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、そしてヒュータスだった。

 
 10分間のインターバルの後には始まったQ2、最速はカストロネベスだった。2番手にはブリスコ、3番手はコンウェイ。4番手はヒンチクリフ、5番手はモントーヤ、6番手はホークスワースが入った。ここでブルデー、カナーン、ディクソンの元チャンピオン3人が敗退。コロンビア出身ルーキーふたり、ムニョスとヒュータスもQ3には進めなかった。

 ファイアストン・ファスト・シックスに進んだのは、ペンスキー勢がふたり、ガナッシとアンドレッティはひとりずつ。BHA/BBM・ウィズ・カーブ・アガジェニアンとエド・カーペンター・レーシング、ふたつの1カーチームふたつがドライバーをトップ6に送り込んだ。

ポールを争うバトルは、カストロネベスがその頂点に立った。ユーズドレッドでの戦い、彼は1分17秒5362という見事なラップタイムを記録。予選3セグメントすべてでトップとなる完全制覇で今季初ポールポジション獲得を果たした。

 2番手はヒンチクリフ。今季だけでも4回目の予選2位は、インディ500からの2戦連続ともなった。キャリア通算だと7回目。まだ彼はPPを獲得したことがない。

 予選3番手はホークスワース。今年3回目のファイナル進出。トップ3は2回目(グランプリ・オブ・インディアナポリスでの予選2位がベスト)だ。4位はコンウェイ、5位はブリスコ。そして、ファイナル初進出だったモントーヤが6位となった。

「チームの頑張りによって獲得したポールポジションだ。マシンが最高だった。モントーヤ・スタイルで壁をちょっと擦るシーンもあったが、マシンの安定感が抜群だった。ポール獲得、先頭からのレーススタート、本当に嬉しい」とカストロネベスは喜んでいた。

 ヒンチクリフは、「デトロイトでの予選順位としてはベストを大幅更新した」と苦笑い。PPを逃して予選2位が7回目となったからだ。「このコースは一瞬たりとも気を抜くことができないし、僕は相性が悪いところもある。今年はここまで順調に来ているので、このまま週末を終わらせたい」とも話していた。

 琢磨は、「ふたつの失敗がありましたね。ソフトタイヤでのアタックが2ラップだったんですが、あと1ラップできていたらQ2に進めていたでしょう。0.05秒にも満たない差で8番手。とても悔しいですね」

「もうひとつの失敗はセッティングです。昨日から今日へと変更したんですが、ちょっと行き過ぎてしまった。落としどころが自分たちの狙いと違うところになっちゃってました。でも、ソフトタイヤは1セットしか使っておらず、周回数も少ないので、それをレースではアドバンテージにして戦いたい」とコメントしていた。

本日のレースクイーン

奥田千尋おくだちひろ
2025年 / スーパーGT
WAKO'S GIRLS
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

  • auto sport

    auto sport 2025年7月号 No.1609

    【特集】LE MANS 2025
    “史上最混戦”の俊足耐久プロト頂上決定戦

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円