インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを使用して行われているベライゾン・インディカー・シリーズ第5戦。8日に行われた予選では、シボレー勢がホンダ勢を圧倒し、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がポールポジションを獲得した。初日のプラクティスでは上位だった佐藤琢磨(AJフォイト)は、22番手と後方から決勝レースに挑む。

 昨年度インディカー・シリーズ・チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がインディアナポリス・モータースピードウェイでの初ポールポジションをロードコースで獲得した。

「インディアナポリスでポールを記録できて感激だ。今週の僕はプラクティスから速さを見せてこれている。第4戦バーバーでポールを獲り逃したので、今日は絶対に獲ってやろうと考えていた」と予選ファイナルステージで1分9秒4886のベストを出したパワーは語った。

 今日の彼の戦いぶりは完璧だった。予選の第1セグメントをトップ通過すると、第2セグメントに第1セグメントで使ったレッドタイヤを投入。それでもトップタイムをマークしてファイナルに進んだのだ。

 他の5人のライバルたちがユーズドレッドを2セット持っているだけなのに対し、パワーは新品のレッドを1セット持っていた。完全なるアドバンテージを持ってファイナルに臨んだか彼は、第2セグメントより速いラップを叩き出して悠々とポールポジション獲得を達成した。これで今年2個目のPP。通算38個目のポールは、歴代6位にランクされるもの。

 雨で予選が行えずポイントでグリッドが決まった第2戦ニューオリンズはファン・パブロ・モントーヤにポールが与えられた。それも含めれば、今年のレースはここまでの5戦すべてでチーム・ペンスキーがPPを手にしているということだ。

 予選2番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)だった。タイムは1分9秒7156。ディクソンもパワーと同じ作戦で1セットのレッドで2セグメントを戦い抜くことを狙ったが、それが難しいと見て急遽方針転換。新品のレッドにスイッチして時間切れギリギリ、1周のアタックで辛うじて第2セグメントの6番手となり、ファイナルに滑り込んだ。その彼がペンスキーの上位独占にストップをかけることにもなった。

 予選3番手は明日のレースが通算300戦目のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)で、予選4番手はファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)、予選5番手は昨年度のこのレースのウイナー、サイモン・ぺジナウ(チーム・ペンスキー)だった。予選6番手はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)。今回の予選ファイナルはシボレー勢の二強だけによる対決となっていたのだ。

 ファイナル進出をあと一歩で逃したセバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)が予選7番手。予選8番手は昨年のポール・シッターで、今年はチップ・ガナッシ・レーシング・チームズから参戦、元気のよい走りを見せているセバスチャン・サーベドラだ。

 ホンダ勢はジャック・ホークスワース(AJフォイト)による11番手がベストリザルトだった。第2セグメントに進めたドライバーがホークスワースひとりという苦戦ぶりだ。彼のチームメイトの佐藤琢磨は3回のプラクティスで6、8、11位と悪くない位置につけていたが、予選ではセッティングが今ひとつコンディションに合っていなかったことと、ソフト装着でのアタック中にジャスティン・ウィルソン(アンドレッティ・オートスポート)によるブロッキングを受けたため、実力通りのラップタイムを出せず22番手に沈んだ。ウィルソン自身が予選後に琢磨に謝りに来たが、インディカーはウィルソンに対してペナルティを発しなかった。

「悔しい結果ですね。ブラックで走ってマシンとコースをチェックしましたが、ユーズドタイヤだったことで状況を見誤ったのかもしれません。レッドでのマシンはバランスが良くなかったんです。チームメイトと違ったフィーリングのマシンになっていた点も気になります。何かがあったのか、調べる必要がありますね。今日はブロッキングも受けてしまった。あれがなければどうなっていたか……。コンマ2秒は確実に良かったでしょうが、コンマ3秒以上速くて6番手に食い込めていたかどうかはわかりません。でも、レース用のセッティングはプラクティスで速かったので良いと思います。後方グリッドからのスタートとなってしまうけれど、追い上げるレースを戦います」と琢磨は語っていた。

 ホンダの2番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)の13番手。次がギャビー・チャベス(BHA)の16番手だった。オフの間にホンダのエアロキットの開発を一手に引き受けていたアンドレッティ・オートスポートがホンダ陣営で最も苦戦している。ウィルソンの18番手が彼ら4人のトップ。ライアン・ハンター-レイは19番手、カルロス・ムニョスは21番手、マルコ・アンドレッティは24番手だった。

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