IZODインディカー・シリーズ第8戦ミルウォーキーは18日、予選が行われ、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)がポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は予選5番手と今回も速さをみせている。
今週末の舞台は、ウィスコンシン州ミルウォーキー郊外のザ・ミルウォーキー・マイルでの225マイルレース。バンクが9.25度とフラットな1マイルオーバルは、ドライビングもセッティングも非常に難しいコースとして名を馳せている。
前日のテスト・セッションではウィル・パワー(ペンスキー)がトップタイムをマーク。予選日の2回のプラクティスではフランキッティがトップタイムを続けてマークし、ポール候補の最右翼に名乗り出た。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、トニー・カナーンと琢磨のKVレーシング/ロータス勢、そしてライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)が好調だ。
プラクティスから2時間以上のインターバルの後、夕方16時過ぎに予選は始まった。まずはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)がプラクティスまでの苦戦ぶりを覆し、168.456マイル平均でトップに立ち、その座を長く保っていた。マルコをトップから引きずり降ろしたのは、169.365マイル平均を出したカナーン。そのカナーンはディクソンによって2番手へと下げられ、さらにディクソンを上回ったのが絶好調のフランキッティだった。1周目が170.887マイル! 2周目も170マイル台に載せての堂々のトップ奪取。これでトップは決まり、2番手もディクソンとなるかと思われた。
ところが、フランキッティより後にアタックしたエリオ・カストロネベス(ペンスキー)は、プラクティスでは総合8番手と目立たなかったものの、予選で一気にスピードアップを果たした。169.999マイルと、170マイル台に僅かに届かなかったが、ディクソンを上回るスピードを出し、チップ・ガナッシのフロントロウを阻止して予選2番手を確保した。
非常に見応えのある予選、そしてポールポジション争いとなったミルウォーキーの1マイルオーバル。マシンさえ仕上げていれば楽々とラップタイムが出せるというタイプではなく、ドライバーが全力でマシンをコントロールし、自分の手でラップタイムを削り取ることが求められるからだ。平均時速をただひとり170マイル台に載せたフランキッティの走りは、まさにプロ中のプロにしかできないものだった。
「ドキドキのアタックだった。アタック1周目にターン3でマシンが横を向きかけたが、アクセルを緩めなかった。2周目も同じ場所で1周目以上にマシンが滑ったが、アクセルを踏み続けた。コントロールできるギリギリのマシンが速く走れる完璧に近いセッティングだということだ」とフランキッティは語った。
琢磨は5番手に食い込んだ。プラクティス2回目にフランキッティに次ぐ2番手タイムを出していた琢磨は、チームメイトのEJビソは上回ったが、カナーンのタイムを越えることはできなかった。それでも、KVレーシング・テクノロジーは4〜6番手とトップ6に3台を並べた。間違いなくチーム史上ベストの予選結果だ。
「チームメイト2人とによって色々とトライしているセッティングのポジティブなところを取り出し、コンペティティブなマシンに仕上げることができました。予選でも自信を持ってアクセルを踏んで行けていました。5位という良いポジションを手にできたのは嬉しいですね」と琢磨は2戦連続でオーバルでの予選でトップ5に入ったことを喜んでいた。