IZODインディカー・シリーズ第6戦インディアナポリス500マイルレースは30日決勝レースが行われ、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)がアンダーイエローのままチェッカーを受け、2007年以来の優勝を飾った。佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング)は2周遅れながらチェッカーを受けている。
今年は快晴の下、大観衆が見守る中スタートを迎えたインディ500。シンガーのジュエルによるナショナル・アンセム斉唱、そして俳優のジャック・ニコルソンがグリーンフラッグを振り降ろし、長いレースがスタートした。
レースはオープニングラップで、フロントロウ3番手グリッドからスタートしたフランキッティが、エリオ・カストロネベス(ペンスキー)やウィル・パワー(ベリゾン・ペンスキー)を一気にパス。トップに浮上する。しかし、1周目のターン2でデイビー・ハミルトン(ド・フェラン・ドラゴン)が、クラッシュ。1周目からイエローとなった。
序盤はフランキッティとパワーによって熾烈なトップ争いが繰り広げられるが、フランキッティは最終的に155周のリードラップを奪うレース運びを展開。途中ペンスキー勢にリードラップを譲ることもあったものの展開を優位に進め、フランキッティは終盤のピットストップの際に“スプラッシュ”を敢行。192周目にリードを奪い返した。
ファイナルラップ、トップ争いが白熱したところで発生したのが、ターン4で発生したマイク・コンウェイ(ドレイヤー&レインボールド)とライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)の接触による大クラッシュ。インからハンター-レイのマシンに乗り上げる形となったコンウェイのマシンはエアボーンを喫し、フェンスにクラッシュ! マシンはモノコックとエンジンが分断されてしまうほどの衝撃を受け、コンウェイは足を負傷。メゾディスト病院に搬送された。ハンター-レイとクラッシュに巻き込まれたアナ・ベアトリス(ドレイヤー&レインボールド)もケアセンターに運ばれた。
このアクシデントによりレースはアンダーイエローのままチェッカー! フランキッティは雨で短縮された2007年以来の勝利を飾ることとなった。2位には戦略を成功させたダン・ウェルドン(パンサー)が入り、3位にはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)が入ったかと思われたが、ファイナルラップの混乱の中で6位に降格されることとなってしまい、アレックス・ロイド(デイル・コイン)が殊勲の3位を獲得。期せずしてイギリス人ドライバーがトップ3を独占することとなった。
(※編集部注:その後判定の末、アンドレッティの3位が復活)
「復帰して、チャンピオンシップとともにまたインディ500を制することができたのは本当に素晴らしいよ!」と語ったフランキッティは、愛妻アシュレイ・ジャッド夫人と抱擁を交わし、伝統のミルクを飲んだ。
9番手スタートで期待がかかった武藤英紀(ニューマン・ハース)はハンドリングに苦しみ、76周でマシンを止めることに。最後尾からの追い上げとなった琢磨はピットでのアクシデントでペナルティストップをとられるなど苦しい展開となり、2周遅れの20位フィニッシュ。初めてのインディ500でチェッカーを受けてみせた。
●インディ500 ハイライト(www.indycar.com)
●マイク・コンウェイとライアン・ハンター-レイのクラッシュ(www.indycar.com)