26日に決勝が行われた伝統のインディアナポリス500マイルレース。12度目の挑戦で悲願の初優勝を遂げたトニー・カナーン(KVレーシング)は、新人ながら2位に入ったカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)について、最後のイエローが出なくても彼を抑え込むことができたと語っている。
何度もリードチェンジが行われ、なかなかイエローコーションが出ないハイペースで進んだ今年のインディ500。レース終盤に、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)がクラッシュを喫し、残り3周でリスタートが切られるスプリントバトルへ。
リスタートでライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)を交わしたトップに出たカナーンとムニョスだったが、その直後のダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)のクラッシュによってイエローコーションのままチェッカーを受け、カナーン悲願のインディ500初勝利を飾った。
優勝したカナーンは、ルーキーながら予選で2番手に入り、決勝レースでも2位を獲得したムニョスに、この1カ月大きな衝撃を受けたと語っている。
「(イエローがなければ)彼は、最後の2周でたくさんのことを学んだだろうね」とカナーン。
「カーブデーで、彼は僕をショートカットしてパスしたんだ。僕たちはあまりやらないよ。でも彼とは話さなかった。『この青年は、とてもよくやっている。もし彼がレースをゴールしようと考えるなら、彼はうまくフィニッシュするだろう』と思ったんだ」
「レース中、ターン1で彼は挙動がおかしかった。だから、彼を同じように抜いてやろうと『さぁ行けよ、青年』って思っていたさ。残り3周、彼が後ろに見えたんで、『わかった、ここからがレッスンのスタートだ』って言った矢先にイエローになってしまった」と、残りの周回でもムニョスを抑え込む自信があったようだ。
レースは、先頭に立つとドラフティングでオーバーテイクされやすい状況で進んでおり、カナーンはレイホールのクラッシュで出たイエローを戦略通りだと喜んでいる。
「リスタートで抜かれることが分かっていたので、レースをリードしたくはなかった。でも残り3周、リーダーの後ろという、望んでいた完璧な位置にいることができたよ。潜在的にイエローがでるかもしれないってわかっていたし、実際イエローコーションとなったんだ」