今シーズン、スーパーGT500クラスに初挑戦したヘイキ・コバライネンがこの1年を振り返り、早くも来季に向けての参戦継続に意欲をみせた。

 ルノーやマクラーレン、ケータハムやロータスなどを渡り歩き、2007年から13年までF1に参戦していたコバライネン。マクラーレンから参戦していた08年にはハンガリーGPで優勝も経験している。今シーズンは、平手晃平とともにDENSO KOBELCO SARD RC FのドライバーとしてGT500クラスを戦っていた。

 今季最終戦のもてぎは、ウエットからドライに変わっていく難しいコンディションでのレースとなった。コバライネンは、パートナーの平手からバトンを受け取ると、ドライコンディションの中でペースを上げ、一時は5位につけトップ4集団に接近。その後、わずかなミスでポジションを失ったが今季一番という内容で6位フィニッシュを果たした。シーズンを通してみると、残念ながらポディウムフィニッシュはなく、中盤戦でのノーポイントが響きランキングは13位。それでも開幕4戦連続でポイントゲットをし、最終戦でも前述のような存在感溢れるレースを披露した。

 上位で繰り広げた最終戦でのバトルについて「特別にいいレースとは言えないけど、手応えはあったね」とコバライネンは振り返る。

「先行するGT-RやNSXを追い抜くまでのポテンシャルはなかったけど、彼らに非常に近いところでレースができた。今年は難しい1年にはなったけど、パフォーマンスを引き出す上で問題になっていたことは解決された。だから、最終戦ではトップに数秒差まで近づくところまで迫ることができたんだ」

「この勢いで来年も戦うことができれば、もっと楽しいレースができると思う。来年もスーパーGTを続けるつもりでいる。近いうちに何かしらの発表はしたいと思っているよ」と、来季に向けて早くも前向きなコメントも飛び出した。

 改めて、世界中の数あるカテゴリーの中でなぜスーパーGTを選ぶのかを聞いてみると、コバライネンは、日本最高峰のツーリングカーレースこそが“チャレンジング“なレースであるからだと語った。

「僕は速いクルマでレースをするのが好きだし、現在の最新技術が詰まったマシンが好き。自分の限界までチャレンジできる舞台で戦いたいと常に思っている。それを満たしてくれるカテゴリーがスーパーGTだった。クルマのパフォーマンスだけでなく、タイヤもコンペティティブだし、予選では一発勝負のタイムアタックで、1000分の1秒を争う僅差の中で競り勝たなければならない。非常にレベルの高いものが要求されるけど、こういった環境でレースできてすごく楽しいよ」

 GT500とGT300の混走のもとで争われるスーパーGTは、長谷見昌弘氏が「フェルナンド・アロンソが来てもいきなりは勝てないカテゴリー」と評したことからも分かる通り、とにかく経験が重要となる難しさがある。もしコバライネン来年の参戦が正式に決まれば、今年以上の成績を残せることができるはず。F1での優勝経験者という肩書きに恥じない走りとリザルトを、来季のスーパーGTで改めて見てみたい。

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