昨年来、沖縄県豊見城市豊崎でスーパーGTのストリートレースを開催しようという動きがある。美しい海が眼前に広がるロケーションで、果たしてスーパーGT開催が実現するのか。オートスポーツNo.1355では、このプロジェクトを推進するI.M.P.(インターナショナルモータースポーツプロジェクト)社代表の竹内浩典代表、田澤一也氏へのインタビューを掲載している。
このプロジェクトは、オートスポーツwebでも既報の通り、沖縄の那覇空港からクルマで10分ほどという好ロケーションにある、豊見城市豊崎を舞台に進められているもの。周囲にはアウトレットモールやレンタカーの基地があり、観光客も多く訪れる。
現在予定されているコースは、全長1.5km。コース幅約12mの右回りだ。埋め立て地なのでコースのアップダウンはほぼなく、すべて公道を利用しておりコンクリートフェンスで囲み、安全対策を施す。P字型のコースなので最終コーナーはかなりタイトなヘアピンだ。
また、ユニークなのはアメリカのレースのようにピットエリアとパドックを分離し、スーパーGTが走っていない時にはエコカーや自転車のイベントをコースで実施するアイデアもあり、地元を巻き込んだビーチエリアのお祭りとして盛り上げていく。
そんな計画だが、オートスポーツNo.1355の中でI.M.P.の田澤氏は、「公道レースだけが目的ではなくて、生活の必需品ということもあって沖縄には車好きの若者が数多くいるのに、本格的なサーキットはなくレースを見たことがないという人間がいっぱいいるので、モータースポーツを根付かせていきたいというのもテーマです」と語る。
ただ、計画の当初には「最初、行政に話をしたときには詐欺と思われたようです。大きい話をして、行政から資金を引き出していなくなるのではないかと」と思わぬ苦労もあったという。
その後も半年ほどはまったく話が進まなかったが、行政、沖縄県警、所轄警察、地元企業、地域住民等多くの交渉を進める中で状況は好転したという。現在スーパーGTを誘致するための委員会が立ち上がり、市長も承認した上でI.M.Pへ正式にスーパーGT誘致の要請が出され、実行委員会が組織された。
また、今回のプロジェクトで注目すべきは、GTエントラント協会(GTE)が主体となってレースを運営しようとしている点にある。現在スーパーGTを統括しているGTAは、自動車メーカーも役員を派遣する法人組織である。それだけにリスク管理に対するハードルは決して低くない。そこでチーム間の組合であるGTEが前面に立つ形をとるという。
来年の2月もしくは3月の開催を目指す場合、各所との調整や準備を経て、レースカレンダー申請のタイミングからして今年の6月には最終決定が必要になる。「必ずできる」と田澤氏は断言するが、沖縄の地で、日本初の公道レースが実現するのか。進捗に注目したいところだ。
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