スーパーGT第1戦岡山は7日、82周の決勝レースが行われ、予選6番手からスタートしたRAYBRIG HSV-010が劇的なバトルを制し開幕勝利を飾った。2位はKEIHIN HSV-010が続き、HSV-010勢がワン・ツーを飾っている。

 前日までの荒天から一夜明け、晴天が見えるまでに回復した岡山国際サーキット。しかし強風が吹き気温がも低く、その気温が影響したか、迎えたフォーメーションラップでは1コーナーで2番グリッドのEpson HSV-010がコースアウトする場面も。

 迎えたスタートでは、ポールのMOTUL AUTECH GT-Rが飛び出すも、2番手スタートのEpson HSV-010は、後に続くKEIHIN HSV-010、RAYBRIG HSV-010、ウイダー モデューロ HSV-010といったHSV-010勢にポジションを脅かされる。ドライバーの道上龍は必死の抵抗を見せるも、5周目のヘアピンでKEIHINが前に出ると、少しずつポジションを落とすことになってしまう。序盤は首位MOTULをKEIHIN、RAYBRIG、ウイダー モデューロという3台のHSV勢が追う展開となった。

 2番手集団を形成するHSV-010勢の中でも、熾烈なバトルが展開される。このバトルの中で2番手につけたのはKEIHIN。3番手にはウイダー モデューロがつけ、RAYBRIGが4番手という展開に。RAYBRIGの後方には、カルソニックIMPUL GT-Rが続いた。

 上位陣のピットストップは、ちょうどレースの半分近くにあたる39周目〜43周目あたり。トップ3はそつなく作業をこなすが、首位MOTULの後方2番手にはウイダー モデューロが浮上。3番手にRAYBRIGが続き、KEIHINは4番手に後退する。一方、HSV-010勢の後方には、カルソニックをかわしたZENT CERUMO SC430、DENSO KOBELCO SC430というSC430勢が浮上してきた。

 首位MOTULと2台のHSV-010の間隔はピットインの際にやや近づいてはいたが、MOTULのステアリングを握る柳田真孝は冷静にウイダー モデューロとの間隔を広げていく。しかし、終盤を迎えると、レースは緊迫の度合いが強まってきた。サーキットにパラパラと雨が降り出したのだ。

 この雨の影響か、トップ4台のギャップに変動が出はじめる。63周目にウイダー モデューロ、RAYBRIG、KEIHINのギャップが急速に接近。2番手を守っていたウイダー モデューロを駆るGT500ルーキーのフレデリック・マコウィッキは、RAYBRIGの小暮卓史、KEIHINの塚越広大からの攻勢を必死にしのぎ続けるが、68周目のアトウッドで痛恨のスピン! これで2番手にRAYBRIG、3番手にKEIHINとなる。

 さらにバトルは続く。トップを守っていたMOTUL GT-Rと、2台のHSV-010の差は少しずつ縮まっていった。82周のレースが残り9周となると、トップ3がテール・トゥ・ノーズのバトルとなっていき、サーキットは興奮のるつぼと化した。

 トップ3は集団となりながらラップダウンをかわしていくが、迎えた77周目。ヘアピン立ち上がりでRAYBRIG小暮はやや強引にMOTUL柳田のインへ! 2台は接触しながらサイド・バイ・サイドでパイパーコーナーを立ち上がると、Wヘアピンまで並走。圧巻のバトルを展開した。

 最終コーナーへの進入で前に出た小暮はトップを奪うと、かわされたMOTUL柳田のスキをつき、KEIHIN塚越もMOTULの前へ! レース残りわずかで、HSV-010勢がトップ2を奪うことになったが、KEIHINはRAYBRIGへのアタックを止めない。バトルはファイナルラップまで続くこととなった。

 雨が強くなってきたファイナルラップ。Wヘアピンの進入でGT300クラスのラップダウンに前を塞がれた小暮の横に塚越が! 2台のHSVは並んで最終コーナーに進入していくが、GT300車両のポジションの関係もあり、小暮がトップを守ったままチェッカーに向けて立ち上がることに。このファイナルラップでマシンを破損することになったが、RAYBRIG HSV-010はトップでチェッカーを受けた。

 昨年の岡山で惜しくもバトルの末2位となったRAYBRIGだが、今年はその借りを返す勝利を飾った。チーム国光の優勝は、2006年第7戦ツインリンクもてぎ以来となった。2位はKEIHIN HSV-010、3位はMOTUL AUTECH GT-Rという結果に。ウイダー モデューロ HSV-010は最終的にZENT CERUMO SC430にかわされ、5位でチェッカーを受けた。

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