メルセデスがルイス・ハミルトン獲得を決めた背景には、ミハエル・シューマッハーの決断の遅れが大きな影響を及ぼしていたことが分かった。
28日、マクラーレンがセルジオ・ペレスを獲得したことを明らかにし、メルセデスもルイス・ハミルトンとの3年契約を発表するなど、大型移籍がわずかな時間に相次ぐかたちとなった。そんな中、シート喪失が決まったシューマッハーの去就にも関心が高まっている。
メルセデスは、シューマッハーが2013年もチームに留まるかどうかに関わらず、夏休みの終わりまでに将来の計画を明かすようにリクエストしていた。
彼らは、シューマッハーが早期に決断を下していれば、2013年以降の契約延長に同意する考えを持っていたと考えられている。
しかし、メルセデスの上層部は、シューマッハーから将来の計画をなかなか得ることができなかった。そのため、チームには、シューマッハーの決断の遅れに伴い、徐々に狭まるドライバー市場において、実力ある後任ドライバーを確保することが難しくなるという危機感が生じたようだ。
信頼ある情報筋によれば、こうしたシューマッハーの優柔不断な態度が、ハミルトンとの交渉を推し進める最初の要因につながったという。
ハミルトンの加入でシートを失うことになったシューマッハーは、今後も現役を続行するのか、または再び引退するのかについて、ヒントになるような一切の事実も明かしていない。
「チームといい3年間を過ごした。走りのほうで期待した成果を挙げられなかったのは残念だけどね」と、シューマッハーはチームのリリースにおいて語っている。
シューマッハーがF1に残る唯一の現実的なオプションは、セルジオ・ペレスが離脱するザウバーへ移籍することだ。彼のマネージャーを務めるサビーネ・ケームは先週末のシンガポールGPでザウバーのチーム首脳と会談を持ったと見られている。