ランボルギーニ・ワールド・チャンピオンの栄冠に輝いたのは、北米シリーズより参戦のAndrew Palmer
今シーズン、デビューを果たした若きドライバーたちが世界一を獲得

【2013年11月23日 ヴァレルンガ発】
 ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ・ワールド・ファイナルでは、まず第1レース後の表彰台に、シリーズ開催地全3大陸からの選手が勢揃いするという理想的な形で開幕しました。そして、Autocarrozzeria Imperiale所属のAndrea Amiciが、抜群のパフォーマンスを披露して連勝記録を5連勝に延ばす結果となりました。

 また、第2レースでは、イタリアが初の世界チャンピオンに輝くであろうという人々の予想を裏切り、スリリングなクライマックスの末、北米のスーパートロフェオ・レーサーの仲間入りを果たしたばかりのAndrew Palmerが、午前レースの結果2位に続き、1位を獲得しました。

 これをもって、この若きスターは経験豊かな手強いライバルたちを押しのけ、所属チームであるGMG Racingと米国に2013シーズンのランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ・ワールド・チャンピオンの栄誉をもたらしました。

第1レース
 第1レースは、雨に濡れた路面を考慮し、セーフティーカーの先導により開始されました。AdrianZaugは、我先に集団を引き離しにかかりました。レース後半、アマチュアのチームメイトにバトンを渡す前にコースが短いため、あまり大きなリードをつけることができないと思ったのです。これを、入念に準備した待機戦術を展開するAmiciが追い上げ、さらに終始一貫して堂々とした走りを見せたComposit Motorsport所属のAndrea Gagliardiniが続きます。

 アウトに位置していたことで注目を集めていたドライバー2人、Dimitri Enjalbert とKevinConway は、レース序盤に大躍進を遂げました。Conwayがレース集団の最後尾から最高13位にまで追い上げる一方、Enjalbert も12 周目のピットウィンドウのオープン前に、7 位に順位を上げました。

 ストップ後、先頭の5 台が再びレースに加わると、それまでリードしていたBonaldi に代わってFederico De Nora が #3 のハンドルを握り、集団からわずか3 秒のアドバンテージを残してレースに臨みました。

 レース後半には、ヨーロッパ・チャンピオンのAmiciがDe Noraを早々と制し、16周目でレースのトップに躍り出ました。デビュー後4レース目にも関わらず、Amiciを懸命に追い上げ2位に着けたのは、米国の新星Palmer。次いで、日本の織戸学がGagliardiniを先頭集団から追い落として3位に滑り込みました。

 Alberto Vibertiは、ストップ&ゴー・ペナルティーの後、4位に終わって所属チームCompositMotorsportの面目を保ち、猛追撃を繰り広げた Enjalbert が18台をごぼう抜きして5位、僅差でDe Noraが6位に着けました。最終的には、先頭集団から抜け出してセーフティーカーと共にチェッカーフラッグを受けたAmiciが勝者となってヨーロッパに錦を飾り、Palmerが短いキャリアにも関わらず驚異的な功績を収め米国に2位をもたらしました。一方、織戸も素晴らしいドライビングで3位を獲得してアジア・シリーズの存在感を示し、ワールド・ファイナルにふさわしいレース結果となりました。

第2レース
 50分間の第2レースは、観客の大きな期待と降りしきる雨の中スタートしました。しかし、雨をもってしても、トラックに散る火花は消せません。セーフティーカーがレース・コントロールの役目を終えた3周目、Amiciが先頭集団から抜け出そうと試みるも、Palmerがこれを許さず背後にぴたりと付けたまま追い上げます。さらに、このPalmerを背後から脅かしたのが織戸です。ブレーキングゾーンにPalmerを深く押し込もうとしながら、コーナーを切る度にGMG #114のインサイドに半馬身し、Palmerの必死のディフェンスにひるむことなく応戦を続けました。

 ランボルギーニ・ジャカルタ所属の織戸が、ついに6周目でPalmerから2位を奪取し、トップを賭けてAmiciに挑む一方、ZauggとEnjalbertも、このスリー・トップへの距離を縮めます。2台がトップ争いに火花を散らす中、トップの5台は団子状態でピットウィンドウのオープンを迎えました。ストップ後、順位が振り出しに戻ると、Amiciは7位に後退しました。

 代わって先頭を率いたDeNoraは、一旦はVibertiに首位を奪われますが、Vibertiが反則を取られストップ&ゴー・ペナルティーを課されます。この結果、織戸が首位となり、後続のAmiciが再び首位を奪還しようと奮闘するも、テクニカル・トラブルによりスリップ後トラックを外れてレースを棄権。連勝記録および世界チャンピオンへの夢を断たれました。

 再びトラックでは、PalmerがまずベテランのEnjalbertを抑えて2位を奪い、さらにトップへと挑みます。Palmerは、わずか2周後に織戸を抜いて首位に立つと、渾身の力で最後の4周を駆け抜け、Aviatrax所属のEnjalbertとの攻防戦に必死の織戸に3.8秒の差を付けます。織戸は辛うじて2位を死守、フランス出身のライバルEnjalbertが続く3位でゴールを切って、スーパートロフェオの3選手権を勝ち抜いたドライバー達で埋め尽くされた勝利の階段を上り、ワールド・ファイナル2度目の表彰台登壇を果たしました。

 トップ・スリーに続いたのは、Composit Motorsport所属のVibertiです。レース序盤の停滞から態勢を立て直し、総合では2度目となる4位、そして、アマチュアとしては2連続優勝を達成しました。Vibertiは、アマチュア・ワールド・ファイナル・チャンピオンの名に恥じない素晴らしい功績を収めたと言えるでしょう。

レース後のコメント:
Andrew Palmer #114、GMG Racing所属(北米)第1レース 2位/第2レース 1位
ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ・ワールド・チャンピオン
「こうしてチャンピオンになって、夢を見ているようです。今週末は、非常に素晴らしいものとなりました。まだ現実としての実感が沸きません!今日の結果は最高、これ以上のことは望めません。GMG Racingと共にこの地で成し遂げられたことの大きさに感激しています。これを機に、米国をはじめ、世界でさらに多くのランボルギーニのレースに参加したいと思っていますが、まずは月曜日に学校に行くことを忘れないようにしないと!この夢のようなシーズンのエンディングの後ですから、とても不思議な感じがしますね。」

Alberto Viberti #47、Composit Motorsport所属(ヨーロッパ)第1レース 4位、アマチュア部門1位/第 2レース 4位、アマチュア部門1位
ランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオ・アマチュア・ワールド・チャンピオン
「ランボルギーニのアマチュア・ワールド・チャンピオンになることができて、最高の気分です。ただ、接戦だったこともあり、2つのレースで4位より上を狙えたとも思いますが。これで、素晴らしい経験を与えてくれたシーズンが終わります。シーズン中、特に単独でレースに参加しようと決意したSpa以降は、レースごとに力をつけて行きました。再びレースに参加して、さらに成長を続けたいという気持ちで既にうずうずしています。次のシーズンまで待ちきれません!」

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