今季、アウディからWEC世界耐久選手権の3戦に出場することが明らかになったロイック・デュバルは、昨年2012年に向けたプジョーからのオファーを受けていたものの、断っていたことを明かした。

 29歳になるデュバルは長年日本でレースを戦い、2009年にフォーミュラ・ニッポン、10年にはスーパーGTのタイトルを獲得。また、2010年から地元フランスのオレカからル・マンに挑戦、プジョー908 HDi FAPをドライブした。

 そんなデュバルは、2011年の夏にプジョーワークスの908をテストドライブしていたことを明かし、プジョーから今季に向けたオファーを受けたと言う。

「僕はプジョーでテストをしたし、彼らと話はしたよ。でも、プジョーは僕が求めていたものを提供することができなかったんだ」とデュバルは語る。

「同じ頃アウディとコンタクトしたんだ。なぜなら僕がいたかったのはアウディだからね。理由は記録をみれば分かる。アウディはアウディなんだ」

 また、デュバルは日本でともにレースを戦っていたアンドレ・ロッテラーとブノワ・トレルイエが、デュバルのアウディ入りの一助になったという。

「たくさんの友達が僕のアウディ入りを助けてくれたんだ。アンドレとブノワはスーパーGTですごく仲が良いからね」

 また、デュバルはスーパーGTの経験がル・マンに参戦するいいトレーニングになるのか? という英AUTOSPORTの質問に対し、スーパーGTではいいスキルを手に入れることができると語る。

「マシンはとても速い。DTMの車両よりもね。レースはいつも接近戦だし、速度が違うGT300クラスのマシンをトラフィックの中でかわしていくテクニックがすごく重要になる。スーパーGTではいいスキルを学ぶことができるよ。ここ数年ル・マンでSGT出身ドライバーがみせているようにね」

 今季、デュバルは日本でも長年在籍したホンダから、レクサスに移籍。スーパーGTではPETRONAS TOM'Sに、フォーミュラ・ニッポンではKYGNUS SUNOCOに在籍する。この移籍が、今後のヨーロッパでのキャリアと関係するのか? と尋ねられ、次のように答えた。

「僕はキャリアをいい方向に重ねないといけない。将来を考え続け、オプションを多くもっておかないと。トヨタへの移籍は来季以降に向け可能性をもっているんだ。ただ、僕はWECでは、今の時点ではアウディのドライバーなんだよ」

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