2010年はロータスF1チームに加入したヤルノ・トゥルーリは、自身が2009年いっぱいでF1から引退することを考えていたと語り、F1で新たなチャンスを得たことにより再びモチベーションを上げ、前に進むことを決断したと告白している。
今季はロータスに移籍、チームは一丸となって最初のテストに臨もうとしているが、トゥルーリは悩みなくシーズンに臨もうとしている。2009年、トヨタがF1からの撤退を明らかにした後、トゥルーリはアメリカに渡り、NASCARスプリント・カップのトヨタ・カムリをテストしたが、トゥルーリは単にそれは「好奇心を満たすためだった」と語る。
「僕は2009年いっぱいでF1から去ることも考えた。その時はいくつか選択肢があったんだ。でも、NASCARに乗ったのは、単に違う何かを試してみようという気持ちだったんだ」とトゥルーリ。
「これまでのキャリアで、何年も何年もレーシングカーに乗り続けてきた。ただ、僕はGTカーなどのクローズドコクピットのマシンで戦ったことがない。でも、僕はまだオープンコクピットのマシンに対する愛情があると気付いたんだ。その気持ちがすごく強かったので、F1でまだ何かできるのではないかと期待していた。そして、F1が新たに向かう方向を見て、これはチャンスだと気付いたんだ」
「クルマをドライブすることが好きならば、それが単純にモチベーションになる。もし自分が速ければ、サーキットで特別なことができるだろう。これもまたモチベーションだ。これから厳しいシーズンに立ち向かうことになるが、挑戦し続ける気持ちはまだ自分の中にあって、これこそが自分が探すべきものなんだ」
12日、ロンドンで行われたロータスF1レーシングの発表会では、ブリティッシュグリーンのマシンと対面し、笑顔を浮かべたトゥルーリは、自分の経験が時間も予算も少ないチームには重要だろうと語り、またヨーロッパラウンドでは新たな空力パッケージが登場するだろうと語る。
「昔のように予算を湯水のように使える時代ではない今、経験豊かなドライバーがとても重要になる。我々には時間も足りないからね。チームを正しい方向に導かなければならない。ロータスですぐにレースに勝つなんてことは思わないが、最初のレースでもポイントは獲れると思っている。もしそうなれば素晴らしいことだ。これも良いモチベーションになるよね」
「僕たちの次の挑戦は、バルセロナでのスペインGPで予定している大幅なエアロアップデートだ。簡単なことじゃないし、スケジュールもすでに遅れている。それに開幕戦のバーレーンに向けて、多くのトラブルに対処しなければならないだろう。でも、僕たちはとても辛抱強く対処するつもりだ。今年僕たちは信頼性を上げ、着実な進歩を示さなければならない」