12月11日から、マレーシアのセパン・サーキットでニッサンGT-RニスモGT500、レクサスLF-CCをベースとしたレース車両という、2台の2014年仕様GT500車両がテストを行っている。7月から走行が始まった新GT500車両だが、2013年中でいったいどこまでマシンは煮詰まったのだろうか。

 2014年からDTMドイツツーリングカー選手権と車両規則を統一し、共通形状のモノコックを使用、多くのパーツを共通化するスーパーGT500クラス車両。7月下旬のシェイクダウン、そして8月の鈴鹿でのお披露目から、2013年シーズンはシリーズ戦と平行しテストが繰り返されてきた。

 来季レクサス、ニッサン、ホンダの3メーカーから登場する新GT500車両のうち、ニッサンGT-RニスモGT500とレクサスLF-CCをベースとしたレース車両は2メーカーがともに鈴鹿、富士、SUGO、もてぎとテストを実施。12月11日からスタートしたテストでも、2車が顔を揃えた。

 当初、この新GT500車両は2リッター直4直噴ターボエンジンの熱の問題をはじめ、多くのトラブルが起きていた。ただ、10月のSUGOテスト、11月のもてぎテスト以降はトラブルはかなり減り、今回のセパンテストでも細かなトラブルはあったものの、おおむねトラブルなく精力的に周回を重ねていった。

 では、来たる2014年3月の開幕に向け、現在新GT500車両の“仕上がり”はどんなレベルに来ているのだろうか。セパンテストで新GT500車両をドライブした各ドライバーに聞いてみると、レースで満足に戦うレベルを100%とすると、「40〜50%くらい」だという。

「40%くらい?」「そうですよね」と口を揃えるのは、レクサスの立川祐路と石浦宏明。

「30にしようか迷ったんだけど(笑)。それくらいまだまだやることは多いぞ、という感じ。正直エンジンもシャシーも、それにタイヤもサイズが変わるじゃないですか。トータルでまだまだいろいろやらなきゃいけないことがありますからね」と立川は語る。

「やらなければいけないことの中で、8割くらいできているものもあれば、やっとスタートラインに立てたものもあったりするので。ドライバー交代をどうやってやればいいのかいまだに分からないですけど(笑)」というのは石浦だ。ドライバー交代のしづらさについては、DTMとの共通モノコック化の影響もあり、他陣営からも多くの声が聞こえている。ステアリングを跳ね上げてもいいのか等、ルール面でもまだ詰める必要があるようだ。

 もてぎテストで14モデルを初ドライブ、このセパンで2回目のテストを行った中嶋一貴も「まだ50%くらいじゃないですか。まだまだやることはいっぱいあるし、もっと良くなると思います。前の(SC430)が良すぎたからそういう風に感じたのかもしれないですけどね(笑)」という。

 一方、ニッサンGT-RニスモGT500をドライブした柳田真孝は「50〜60%くらいのところだと思うんですけど」と語る。

「まだロングランもできていないですし、未知の世界ですね。そういう意味で言うと、まだ比べるまでにも至っていないかもしれません。ただ、国内のテストでも一発のタイムも出てきているので、レースになった時にどうかという部分ですよね」と柳田。

「まだ細かいトラブルは出たんですけど、順調には来ているので、クルマは進化し続けています」

 同様にGT-Rをドライブするロニー・クインタレッリは、「最初のテストの時からフィーリングはすごく良くて、バランス自体は最初からとれていたと思う。今はまだタイヤサイズとかセッティング、エンジンも含めていろんなことを試している真っ最中。だから、ポテンシャルとしては09規定に比べてどこまでいけるかは分からないけど、フィーリングはいい感じできている」と語ってくれた。

 セパンではニスモ、TRDとももてぎの延長線上で小さなトラブルに対応しながらも、着実にデータを得ながら熟成を進めていた様子がうかがえた。タイヤメーカーも同様で、多くのタイヤをマレーシアまで持ち込み、車両開発と平行しながらデータを収集している。

「最初はクルマがまともに走れない状態からだったから、そういう意味では前進はしているけど、やっと走り出して、これからクルマを速くする上で、やらなきゃいけないことはまだまだたくさんある」と立川。開幕の3月まで、オフは長いようで短い。各陣営ともこのオフは例年を大幅に上回る忙しさになるだろう。

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