日産自動車とニスモは24日、2012年のグローバルモータースポーツ体制を発表し、スーパーGT500クラスは今季も4台体制で参戦、タイトル防衛を目指すと明らかにした。
2011年はGT500クラスで8戦5勝と圧倒的な強さを発揮し、ファンを沸かせたGT-R陣営。昨年ミシュランタイヤを装着し、予選でも圧倒的な速さを披露した柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組S Road MOLA GT-Rが最終的にはタイトルを獲得し、本山哲/ブノワ・トレルイエ組MOTUL AUTECH GT-Rがランキング2位となった。
今季のニッサン陣営は、11年と同様4台でGT500クラスタイトル防衛に挑むことに。チャンピオンナンバー1をつけるMOLAは、ドライバー、タイヤの体制もそのままに、車名のみ『S Road REITO MOLA GT-R』という名となった。一方、ランキング2位のNISMOは、トレルイエがアウディに移りWEC世界耐久選手権に参戦することになったため、代わって昨年FIA GT1世界選手権のドライバーズチャンピオンとなったミハエル・クルムが加入。本山とコンビを組むことになった。
昨年1勝を挙げたTEAM IMPUL、そしてKONDO RACINGもドライバー体制、タイヤとも継続。不動の体制で2012年シーズンに臨むことに。今季のGT-Rは、開発にあたったニスモの鈴木豊監督によればリストリクターの規則変更に適応してVRH34Bエンジンを改良し、より最適なトルク特性と出力向上を実現。また、フロントフェンダーやリヤフェンダー、ミラーなどエアロの空力性能を向上、また軽量化により最適な重量配分の実現を行ったという。
スーパーGTの柿元邦彦総監督は、「一昨年はファンの期待を裏切り、昨年は勝つための体制にこだわった。昨年は8戦5勝という結果を収められたので、まわりからは圧勝に見えたかもしれないが、薄氷の戦いでもあった。結果的にファンの皆さんに、チャンピオンを届けられてよかったと思う」と語った。
「今季は追われる立場だが、おごることなく開発を続けていきたい。ただ開発ではライバルの先を走っており、今後も追いつかれることも、追い抜かれることもない。テストの結果でも優位に立っていると感じることができた」
「今季の体制は小規模な変更になったが、それは大きく変更する必要がなかったから」と柿元監督は自信をみせる。継続した体制で連覇に挑むニッサンGT-R陣営がどんな戦いをみせるのか注目だ。
