ロータス・ルノーのニック・ハイドフェルドは、ロバート・クビカのけがによってルノーからオファーが来た時、深く思い悩んだと明かした。
クビカがラリーで重傷を負い、長期的に休養しなければならない状況になったため、代わりのリードドライバーとして経験あるドライバーを必要としたルノーは、ハイドフェルドの起用を決めた。
F1公式サイトのインタビューにおいて、元チームメイトの不運によってチャンスを得るという難しい状況にどう対処したのかと聞かれ、ハイドフェルドは次のように答えた。
「僕は徹底的に自分の心の中を見詰めた。おそらくほとんどの人はこれほど徹底的に考えこまないだろうと思えるほどだ」
「その結果、自分の状況をはっきりさせることができた。ロバートに起きたことは僕のせいではない。彼が早く復帰してくれることを、僕は心から願っている。一方で、僕はこのチャンスをつかまなければならなかった。また走れて嬉しく思っている」
ハイドフェルドが代役を務めるというニュースをクビカはどう受け止めたと思うかと聞かれ、ハイドフェルドは「僕には分からないよ」と答えた。
「早く復帰したいというモチベーションがさらに高まったんじゃないかな(笑)」
ハイドフェルドは今シーズンはレースに出られないと考え、メルセデスとリザーブドライバーとして復帰する交渉をしていたという。
「テストがすでに始まっていたから、僕はメルセデスで去年と同じ仕事をさせてもらうために話し合いをしていた。その他に、僕としては興味を持てなかったいくつかのチームの1台に乗るという選択肢もあった」
「そこにチャンスが突然訪れた。最初はロバートのアクシデントを知ってショックを受けたが、同時にこれは自分にとってチャンスになると分かっていたので、頭の中を整理しなければならなかった」
「簡単な状況ではなかった。でも僕は訪れたチャンスをつかまなければならなかった。契約書のインクが乾いたころに、自分がまた走れるのだという実感がわき始めた。全く予期していなかったから嬉しかった」
「今のところシーズン最後まで走るかどうかははっきりしていない。でももちろん僕は準備が整っているし、シーズン最後まで走れるよ! 今年はレースに出られると思っていなかっただけにすごく興奮している」