ルイス・ハミルトンは、今のF1レースではタイヤを長く持たせるためプッシュし続けることができず、走るのが楽しくないと語った。
ハミルトンはマレーシアGPでメルセデス移籍後初の表彰台に上った。しかし彼は、決勝後半、燃料が不足しつつあり、タイヤのコンディションもよくなかったため、ペースを上げられず、チームが後ろを走るチームメイトのニコ・ロズベルグにハミルトンを抜かないよう指示を出さなければ、4位に落ちていた可能性があった。
ハミルトンは、今のF1は純粋な速さを追求するのではなく戦略的な部分が大きいことが残念だとの考えを示した。
「(ドライバー全員が)このタイヤによってとても苦労させられている」とハミルトンが語ったとCrash.netが伝えた。
「タイヤを長く持たせるのがすごく難しいんだ。特にマレーシアで僕はタイヤを思ったように長持ちさせることができなかった。レースの早い段階から燃料をセーブしていたことで、時間を大幅に失ったのは確かだけど、全体的にこのタイヤの影響で……楽しくないんだ。レースを楽しめなかった」
「以前はずっと限界までプッシュし続けてもタイヤが持ったけれど、今はそうじゃない」
「今は……例えて言うなら、100ドル持っていてそれを時間内に賢く使わなければならないような感じなんだ。そういう点で今のレースは以前とは違っている」
「純粋に速さを競うというよりも戦略的な面が大きい」
レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルも、マレーシアGPの金曜に「タイヤの摩耗状態はよくなかった。だからクルマのポテンシャルを十分に発揮できないんだ。あまり楽しいとは言えない」と語り、マーク・ウエーバーも「一番重要なものはタイヤだ。タイヤがすべてなんだ!」と発言していた。
ピレリは今年のタイヤを昨年よりソフトなものにしているが、ピレリ・モータースポーツのボス、ポール・ヘンベリーはマレーシアGP後、昨年同様チームはこのタイヤにすぐに慣れるだろうとコメントしている。