2015年F1第6戦モナコGPは24日(日)、モナコ・モンテカルロの市街地サーキットで78周(260.520km)の決勝レースが行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが終盤の逆転劇で前戦スペインに続く今季2勝目、通算10勝目となるトップチェッカーを受けた。
表彰台で立ち尽くすルイス・ハミルトンの無念はいかほどか。ポールポジションから終始レースを支配していたハミルトンは終盤まで2度目のモナコ制覇を信じて疑わなかった。しかし、モナコGPがクライマックスを迎えようとしていた終盤63周目のマックス・フェルスタッペンとロマン・グロージャンによるクラッシュが大波乱の引き金を引くこととなった。
それまで2番手のロズベルグに約17秒のリードを築いていたハミルトンだったが、クラッシュ直後のバーチャルセーフティカーに続き通常のセーフティカーが導入されたところでチームからピットインの指示を受ける。この時、チームはロズベルグとの間にピットストップ分のギャップがある、つまりピットアウトした時点でもハミルトンがトップのポジションで戻れることを確認して、隊列の先頭を走る彼を呼び寄せた。
だが、ハミルトンがピットボックスを離れようとするタイミングで不運にもザウバーの一台がメルセデスのピット脇を通過。これによって一瞬スタートを待たされる格好となったハミルトンは、ピット出口でロズベルグに先を行かれたばかりか、暫定3番手を走っていたフェラーリのセバスチャン・ベッテルにもわずかな差で前にいかれてしまう。
これで一気に3番手まで後退したハミルトンは、70周目のレース再開直後からスーパーソフトタイヤでなんとかポジションを取り戻そうと猛チャージをかけるが、“抜けないモナコ”ではそのハミルトンをもってしてもソフトタイヤのベッテルをオーバーテイクすることはできず。
その間、トップを走るロズベルグは、2番手を争う後方2台との差を徐々に広げていき、結局78周をトップでチェッカー。まさかの逆転劇で優勝を飾ったロズベルグは2013年からの3連覇を達成し、新たなモナコ・マイスターの称号を手に入れた。
4位はレッドブルのダニール・クビアト。最後のセーフティカー後は、チームがスーパーソフトに履き替えたダニエル・リカルドを前に出して表彰台争いに挑ませたが最後まで3番手を奪えなかったリカルドは終始レースで先行していたチームメイトを再び前に出し、クビアト後ろでチェッカーを受けている。
6位フェラーリのキミ・ライコネン、7位フォース・インディアのセルジオ・ペレスに続き、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンが8位でフィニッシュ。チームは新生マクラーレン・ホンダの6戦目にしてうれしい今季初ポイントを獲得した。
ただ、バトンとともに入賞圏内の9位フィニッシュが濃厚だったもう一台のマクラーレン・ホンダ、フェルナンド・アロンソは41周目にマシントラブルからストップ。ダブル入賞を前に無念のリタイアを喫した。