インディ500のファイナルラップの第4ターンでウォールにクラッシュ、勝利を逃すことになったJRヒルデブランド(パンサー・レーシング)は、自身の悲しみよりも「チーム、そしてスポンサーに申し訳ないことをしてしまった」と悲しみを語っている。

 ヒルデブランドは、インディ500でのルーキードライバーながら最後のピットストップの後燃費走行を成功させ、198周目にリードを奪うと、残り3周のレースで勝利に向けて快走した。しかし、後続に大きなリードをつけながらも、ファイナルラップの第4ターンで周回遅れのチャーリー・キンボール(ノボ・ノルディスク-ガナッシ)をラップしようとした際にワイドになり、ウォールにクラッシュしてしまった。

 クラッシュしたヒルデブランドは、クラッシュしながらも惰性でチェッカーフラッグに向け滑走していたが、その横をダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポーツ)が駆け抜け、ヒルデブランドは2位に落ち、サインガードでガッツポーズをみせていたパンサー・レーシングのクルーの表情は一変してしまった。

 レース後、ヒルデブランドはクラッシュの衝撃に対し「僕は大丈夫だ」と答えつつも、「今の僕は本当に大丈夫という訳じゃない」とショックを浮かべている。

「僕の本当の失望はいつも勝利を目指してくれたパンサー・レーシング、そしてスポンサーのナショナル・ガードのためにある。ドライバーとして僕に期待されることはひとつだったんだ。僕らは速いマシンを持っていることが分かっていたし、僕らの展開になれば、トップ3、トップ5には入る事ができるだろうと思っていた」

「終盤、僕は燃料が厳しいことは分かっていた。その時、スポッターが僕に『後続が激しく迫っている』と伝えてくれたんだ。僕らは本当に燃料をセーブしなければならなかったし、タイヤのライフも終わっていた。僕は本当になんとか持ちこたえていたんだ」

 ヒルデブランドは、ファイナルラップの最終ターンの状況について、次のように語る。

「2番手、3番手のマシンがかなりハードにプッシュしてきていることを知り、僕は速やかに決断を下した。シフトダウンをしてラップダウンのマシンの後ろに付きスピードを遅くすることよりも、バンクのハイサイドに逃げることを決めた。実際、レースの序盤ではそうしてきたんだ」

「しかし、アウトサイドにはマーブルが多く、いったんアウトサイドに出てしまってからは、僕ができることはほとんど無かったんだ」

 チームオーナーのジョン・バーンズは、つかみかけたインディ500の栄冠を目前で逃すことになりながらも、快走をみせたヒルデブランドに対して賞賛を送った。

「我々はルーキードライバーとともにインディアナポリスにやって来た。誰もが何かしらトラブルに見舞われるだろうと思っていただろう。でも私は今、彼が大きな仕事をやり遂げたと言うことができる。彼は本当に少ない燃料で走りきってみせた。私はパンサー・レーシングとヒルデブランドを誇りに思う」

2011年インディ500ハイライト(www.indycar.com)
※12:00あたりからファイナルラップ

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