“シンガポール・ゲート”において不正行為を行ったネルソン・ピケJrに対してFIAが“刑事免責”を適用し、処罰しなかったのは間違っているとの意見が目立つ中、ピケ本人は、自分以上に大きな罰を受けた者はいないと主張した。
2008年シンガポールGPで故意のクラッシュを引き起こしたとされる当時のルノーF1マネージングディレクターのフラビオ・ブリアトーレとエグゼクティブディレクターオブエンジニアリングのパット・シモンズは、チームを離脱すると共にFIA関連イベントからも追放された。しかしピケは証言を行ったことで処罰を免れている。
BBCコメンテイターのマーティン・ブランドルをはじめとする大勢の関係者が、ピケを雇うチームはもはやなく、彼のF1ドライバーとしてのキャリアは終わったと考えている。一方で、ピケを罰しなかったFIAを批判する声も出ている。
「FIAは僕を罰するべきだったと主張している人間もいるけれど、実際には誰よりも僕が大きな罰を受けたんだ」とピケはブラジルのテレビ局グローボに対して語った。
「この事件で罰を受けた他の人たちとは違って、僕のキャリアはまだ始まったばかりだ。これから真価を発揮するためにコース上でもコース外でも多くの障害を乗り越えていかなければならなくなる」
「僕は実際F1においてキャリアをゼロからスタートしなければならないし、どのカテゴリーで走るにしても、自分自身の身の証を立てなければならない。トラウマを受けはしたけれど、僕はこの一件から多くのことを学び、より強く、より賢くなってそこから抜け出した」
「僕は、自分が経験したことを今後他のドライバーが経験しないで済むように、証言を行った。それから、もっと大事だったのは、事件の全容をありのままに明らかにすることだった。僕は、あの一件において彼らから求められたことを受け入れるという過ちを犯した。でも、この件を明るみに出さなかったら、さらに過ちを重ねることになったと思う」
ピケはNASCARチームからオファーを受け、来週にもテストを行う予定となっている。