ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンブリーが、19、20日にアブダビで初めて行われるF1チームとのテストでは、ラップタイムに注目するのではなく、コンパウンドの決定についての情報を得ることが一番の目標だと述べた。
F1の全12チームが、19日、初めてピレリタイヤを走らせる。ピレリはこれまでテストドライバーを使ってトヨタの2009年型マシンTF109でプライベートテストを行ってきたが、今回初めて2010年型マシンでタイヤが使用されることになる。
ヘンブリーは、テストではタイヤのドライバビリティとコンパウンドに関するデータを得ることを重視すると述べた。
「(タイムは)重要ではない。路面状況は大きく変化するからだ」とヘンブリーは英AUTOSPORTに対して語った。
「若手ドライバーテストを見ると、(アブダビGPポールシッターのセバスチャン・)ベッテルよりも1.5秒も速いドライバーがいた! このことからはっきり分かるように、時間がたち、日がたち、コンディションが変わることの影響が大きい」
「我々はラップタイムには注目しない。別に我々が遅いとか速いとかの言い訳をしたいからではない。正直言って、我々はまだ手がかりをつかんでいないのだ。おそらく路面が出来上がっていれば、いいタイムが出せるだろう」
「だがそれは目標ではないし、それを追求してきたわけではない」
タイヤのコンストラクションはほぼ決定しているが、コンパウンドはテストでのチームのフィードバックによって変わることになりそうだという。ヘンブリーは、今回のテストの主な目標はソフトおよびミディアムのコンパウンドレベルを定めるための情報収集であると述べている。
「コンストラクションはかなり固まっている」とヘンブリー。
「2月までの間にいくつか小さなモディファイが行われるぐらいだろう。コンパウンドについては、ミディアムとソフトのグレードをどのあたりにするのかを理解するチャンスになるだろう」
「コンパウンドのレンジを変更しなければならなくなるかもしれない。我々がミディアムとしていたものがハードになったり、ソフトになる可能性がある。我々はコンパウンドのレベルを知りたいのだ」
タイヤテストのプログラムは、ピレリが指示するのではなく、チームがそれぞれ決めるということだ。