フェラーリ代表のルカ・ディ・モンテゼモロは、F1の現在のテスト規制が若手ドライバーにとって厳しい状況になっており、テストの機会を増やすべきだと語っている。
2009年から2011年にかけて、F1ではシーズン中のテストが禁止され、プレシーズンテストも大幅に制限された。2012年には、序盤のフライアウェイの連戦の後、ムジェロで一度テストの機会があるが、この日程もプレシーズンテストから配分されているので、テスト日数自体は増えていない。
この状況に対しモンテゼモロは、いまだにテスト制限については賛成ではあるものの、将来がある若手スターの成長を妨げていると主張する。
「私は以前の過激な状況から、テストの日数を減らすことには賛成していた。ただ、この状況からは少し戻さなければいけないかもしれない。世界的なプロスポーツの選手が、これほど練習をしないのは奇妙なことだと思わないか?」とモンテゼモロ。
「もちろん我々のドライバーにとっても良くない状況だ。我々はフェラーリ・アカデミーを持っており、何人かの素晴らしい若手を育てているが、彼らはGTカーかカートでレースをするしかないんだよ」
「ジャンカルロ・フィジケラはF1の頃は良いドライバーだったが、彼がAFコルセからGT2カーを走らせた時、最初の数戦は(チームメイトの)ジャンマリア・ブルーニとジェイム・メロの方が速かった。やはりそれはシングルシーターとは違うんだよ」
モンテゼモロはまた、フェラーリは規模の小さいチームのために大幅なテスト規制に合意したものの、シミュレーターのような新技術に大幅に投資しなければならなかったと語る。
シミュレーターは、近年大幅な進歩を遂げたものの、フェラーリが他チームに対して先行されている部分でもあり、フェラーリにとってはテストの機会を増やすことがメリットになる。しかし、フィオラノという自前のサーキットを持つフェラーリにとっても、それはメリットにならないとモンテゼモロは語る。
「私は巨額の資金をシミュレーターに投資することになったんだ。今のシミュレーターは巨大な建物になってしまったよ。それに、フィオラノについてはカートトラックのようになってしまったからね。メリットはない。ムジェロは素晴らしいサーキットだが」
「それに、テストという機会は、スポンサーに対してもいいマーケティングになる。我々は大きな経済的な危機に直面しているんだ。テストという機会でメディアへ露出し、スポンサーも楽しませなければならない」