2014年から施行される新しいF1エンジン規定に向け、すでにホンダが15年からのF1復帰を決めた。一方でここ2〜3ヶ月、F1関係者の中では「フォードがグランプリに帰ってくる」という噂が囁かれている。いまだ噂が絶えないフォードF1復帰計画について、7月5日発売のオートスポーツNo.1360ではその状況を追っている。

 1968年から無数のコンストラクターのシャシーに搭載され、単一エンジンによるF1最多勝利を獲得したフォード・コスワースDFVエンジンをはじめ、HB、ゼテック-Rなど、ホンダとともに多くの名エンジンを生み出してきたフォード。このアメリカンビッグネームが果たして本当にF1に戻ってくるのだろうか? オートスポーツでは、グランプリジャーナリストのルイス・バスコンセロスと今宮純の考察で噂を検証した。

 F1のみならず、現在のモータースポーツにメーカーが参戦する場合、非常に重要となるのがマーケティングだ。ただ、長い歴史の中でF1をマーケティングとして活用する手法について、バスコンセロスはフォードの取り組みを“大失敗”だったと切り捨てた。90年代後半に活動したスチュワートGPについては、「恥の上塗りに等しいような結果」と手厳しい。

 では、今の時点でフォードがF1に本当に戻ってくるメリットは何か。2014年からは北米でふたつのグランプリが開催され、15年からはメキシコがカレンダーに戻ってくる可能性がある。近い将来、フォードが自動車メーカーとして直面する困難な課題のひとつは、ハイブリッドこそ進むべき道であると北米の消費者を説得することと言われており、その点では「F1のイメージが多少なりとも役に立つかもしれない」とバスコンセロスは記述する。

 一方今宮純は、1966年にフォードGT40 MkIIがル・マン24時間でフェラーリを撃破してから、2016年が50周年であるという歴史的観点からフォードのF1復帰を検証する。スポーツカーレースで勝利を求めたフォードによりフェラーリの買収交渉が行われた後、破談になった結果フォードは自力でル・マンに勝てるマシンを開発。名車GT40が生まれたという逸話はあまりにも有名だ。

 このGT40の逸話は、フォード・コスワースDFVの登場と時期的にも同じくする。「こうして見てくると、半世紀前に次々ととられた一連のフォードの行動は、フェラーリを“仮想敵”とした骨太な戦略そのものである」と今宮純は綴った。

 さらにさまざまなソース、そして“50周年”の逸話から、今宮純はフォードのF1復帰は2016年と読む。さらにル・マン、そしてインディカーでの活動も視野に入れているとも。バスコンセロスが指摘するフォードF1復帰の際の“問題点”、そして実際に手を組むとしたらどのチームが可能性が高いのかも含め、ぜひ御一読いただきたい。

オートスポーツNo.1360 7/19号の詳細はこちら
http://as-web.jp/autosport/issue_info.php?no=569

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