F1で4度の世界チャンピオンに輝いたアラン・プロストが、負傷したフェリペ・マッサの代わりにF1復帰の意志を示したミハエル・シューマッハーの“出場キャンセル”という決断を支持すると語った。プロストは、復帰を見合わせる原因となった首へのダメージが、氷山の一角に過ぎないかもしれないと考えている。
バイクレースで負った怪我によりF1復帰の考えを改めなければならなかったシューマッハーの決断を、このフランス人は支持する考えを見せている。プロストはフェラーリをドライブした後の1992年にF1を一旦休養したが翌年には復帰、その年ウイリアムズで4度目のチャンピオンに輝いた。そのプロストは、シューマッハーが2006年の引退後に多くの事にチャレンジしすぎたのではないかと懸念している。
「今のところ、体調の問題だけで復帰を取り止めたのかどうかはわからない」と元フェラーリドライバーのプロストは地元パリシエン紙に対し語っている。
「恐らく、コクピットに収まったときに想像以上のリスクがあることを彼は悟ったのだろう」
それでもプロストは、自身の問題を受け入れ、最終的にバレンシアへの出場を断念すると決めたシューマッハーの決断は正しかったと主張している。
「復帰への願望とモチベーションを消し去るのは容易ではなく、数年はかかるものだよ」とプロスト。
「ミハエルと私は異なる理由でヘルメットを置いたわけだが、自分がまだ競争力の高いと思っているときに復帰を持ちかけられれば、その分誘惑も大きいものだ」
「体が少しでも危険な状態にあるならば、彼の決断は正しかったと言えるだろう。ドライバーにとって首というのは非常に大事な部分だからね。少しでも痛みがあったりすると、吐き気に見まわれたり視力の低下にもつながりかねないものだ」
「93年に私が復帰したときは8ヶ月のブランクがあったが、戦えるレベルに戻るには非常に難しいものがあった。シューマッハーにはより多くの時間が必要だったかもしれないね」
