2013年F1第16戦インドGPは27日(現地時間)、首都ニューデリー近郊にあるブッダ・インターナショナル・サーキットで60周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインで今季10勝目を挙げ、4年連続となるワールドチャンピオンを獲得。チームもコンストラクターズタイトルを手にした。
フリー走行の早い段階からソフトタイヤのダメージ(ブリスター)がひどかったため、日曜の決勝はミディアムタイヤを中心とした戦略を余儀なくされた各チーム。ポールシッターのベッテルをはじめ、トップ3につけたメルセデス勢と5番グリッドに並んだフェリペ・マッサらがレース序盤にソフトタイヤを“捨てる”作戦を選択し、一方でグリッドを犠牲にしてミディアムスタートを選んだ4番手スタートのマーク・ウエーバーや8番手のフェルナンド・アロンソはレース終盤にソフトタイヤを使う作戦でレースに臨むことになった。
しかし、レースでは混乱のスタートでランキング2位のアロンソがいきなりウエーバー、ジェンソン・バトンと立て続けに接触。余分なピットインを余儀なくされた跳ね馬のエースは、早くも上位争いから脱落してしまった。これでベッテルの戴冠を阻止するためには2位以上が絶対条件のアロンソにとっては、絶望的な最後尾からの追い上げとなってしまう。
これでレースはトップを守ったベッテルが有利に進めることに。ベッテルは2周目にピットインしてミディアムに履き替えると、一旦後方でのレースを強いられたが、それも他のライバルのピットインと自身の快調なレースペースによってまたたく間にポジションを回復。10周目には、ミディアムタイヤで暫定トップを走るウエーバー以下、セルジオ・ペレス、ダニエル・リカルド、ロメイン・グロージャンに続く5番手につける。
ベッテルは11周目にグロージャンをパスすると、その後も次々にポジションを上げていき、21周目にはペレスを抜いて2番手まで浮上する。ここからベッテルは、安定したペースでウエーバーの10〜11秒後方を走行すると、28周目に最初のピットインを迎えたチームメイトに代わって首位に浮上。そして、31周目に自身2度目のピットストップを終えると、翌周に4周走ったソフトタイヤを交換するため再度ピットインしたウエーバーと順位を入れ替えるかたちで再びトップのポジションに返り咲いた。
これでレースはレッドブルがこのまま1-2フィニッシュするかと思われたが、40周目にウエーバーが突然オルターネータ—のトラブルに見舞われ、コース上でリタイア。順調にトップを走っていたベッテルも終盤、電動ポンプを利用するドリンクボトルの使用を止めるようチームから指示がとぶなど、レッドブルに一瞬緊張が走った。だが、ベッテルのマシンは最後までトラブルに見舞われることなく60周目を迎え、無事チェッカーを受けたベッテルは今季のワールドチャンピオンを決定づけるポール・トゥ・ウインを達成した。
ベッテルに続く2位を得たのは、ソフトタイヤでスタートしたニコ・ロズベルグで、彼はオープニングラップでマッサに先行されたものの、2度目のピットストップでフェラーリをアンダーカットすることに成功した。
3位は、予選Q1敗退で17番手スタートを強いられたグロージャンが想定外のワンストップ作戦を成功させると、最後はマッサの激しい追い上げを凌ぎきって3戦連続となる3位表彰台を獲得した。
5位には終盤ルイス・ハミルトンを攻略したセルジオ・ペレスがマクラーレンでのベストリザルトを更新。ラストラップを前に2度目のピットストップを強いられたキミ・ライコネンが7位に入り、母国GPとなったフォース・インディアのポール・ディ・レスタとエイドリアン・スーティルが8、9位でフィニッシュ。10位1ポイントはトロロッソのリカルドが手にしている。
一方、終盤までポイント圏内を走っていたザウバーのニコ・ヒュルケンベルグはマシントラブルでリタイアに追い込まれ、4戦連続のポイント獲得はならず。序盤の接触で終始後方でのレースを強いられたアロンソは結局11位ノーポイントに終わった。