2月22日、鈴鹿市主催の「鈴鹿モータースポーツ祭」が開催された。今回、その模様を入手することができたので、少しお伝えしよう。
この「鈴鹿モータースポーツ祭」では、鈴鹿市文化会館を中心に、2輪レーシングマシンによる公道デモラン、トークショー、タイヤ交換体験など、様々なモータースポーツ関連の催しが行われた。中でも注目を集めたのは、ホンダでF1エンジン開発を担当する、本田技術研究所のMS開発室長の櫻原一雄氏の基調講演だ。
「最高峰レースF1への挑戦」と題した櫻原氏の講演は、F1そしてF1のレギュレーションの説明から、ホンダの今季のパワーユニットについての詳細までと、非常に多岐にわたる内容だった。まさに初心者でも、玄人ファンでも楽しむことができる、垂涎の内容だったと言えるだろう。
内容を細かくお伝えできないのは残念だが、「パワーユニットの信頼性さえ確保できれば、マクラーレン・ホンダは速いはず」と自信を語っている。
「マシンは非常に攻めた作りになっているので、パワーユニットさえちゃんとしていれば速そうだ。開幕戦からガンガン走るのは難しいかもしれないが、まずはパフォーマンス面に開発を振っています。ポテンシャルは低くないので、パワーユニットがちゃんとすれば上位を走れると思う」
同日に行われたトークショーは、鈴鹿サーキットの場内実況でもお馴染みの辻野ヒロシアナウンサーが司会を務め、末松則子鈴鹿市長、『F1速報』ブログでもお馴染みの熱田護カメラマン、鈴鹿サーキットの荒木正和総支配人、鈴鹿モータースポーツ友の会理事の畑川治氏、森脇エンジニアリングの森脇緑取締役、そしてスペシャルゲストとして松田次生選手が登場した。トークテーマは“Power of SUZUKA”。「世界中どこへ行っても、“鈴鹿”という地名は誰もがしっている」という話や、「鈴鹿がいかにテクニカルで面白いコースなのか」という点についての話題が飛び出した。
また、ホンダのF1挑戦についても言及。モリワキの森脇取締役は、「ホンダの方とは、同じモータースポーツに関わる者として、交流させていただいています。F1に挑戦するのは本当に大変だと思うし、それ自体が凄いと思う。“頑張ってほしい”以上の想いです」と語った。
なお、今季からマクラーレン・ホンダに加入するフェルナンド・アロンソについても話が及び、「アロンソはミナルディ時代にデグナーのひとつめで見て、その凄さを感じた」と語ったのは畑川氏だ。
「マシンは遅いはずなのに、とんでもない走りをしていた。そのアロンソがマクラーレン・ホンダに乗ってくれるというのが嬉しい」
熱田カメラマンも、コースサイドで見たドライバーの中でも、特に凄いと思ったうちのひとりとして、アロンソの名を挙げている。
「コースサイドで写真を撮っていて、これまで凄いと思ったのが、アイルトン・セナ、マクラーレン時代のキミ・ライコネン、そしてアロンソなんです。ひとつのコーナーだけなんですが、他のドライバーとは違いました。この3人は凄いと思います」
「ミハエル・シューマッハーの名前が出てこないのが不思議ですが……」と辻野アナウンサーが尋ねると、「シューマッハーの走りに驚きを感じたことはないんです。彼は、レースを通じてうまくまとめ、勝利を収めるタイプのドライバーなんだと思います」と熱田カメラマンは答えた。
なお、「鈴鹿モータースポーツ祭」では、2輪レースチームのモリワキレーシングとTSR、そしてモトクロスライダーの小島庸平選手が新たに“鈴鹿と・き・め・きモータースポーツ大使”に任命された。