発表以来不評を招いている最終戦のみポイントを2倍与えるというF1規則に関し、F1の商業面のボス、バーニー・エクレストンがチーム側に圧力をかけて可決に持っていったことがわかった。
9日、F1ストラテジー・グループおよびF1コミッションの会合において最終戦ダブルポイントに関して合意がなされ、FIAは「シーズン最後まで選手権に対する集中を最大限に維持するため」、2014年の最終戦ではドライバーズ、コンストラクターズ共にポイントを2倍与えると発表した。
2013年にはセバスチャン・ベッテルが19戦中第16戦インドGPでタイトルを獲得、4年連続でチャンピオンの座についており、タイトル争いの決着をできるだけ遅らせたいとの考えからこのレギュレーションが導入された。
F1チーム、FIA、フォーミュラワン・マネジメントのそれぞれの代表がポイント2倍案賛成に票を投じた。しかしエクレストンがテレビ局やレースプロモーターからタイトル決定をできるだけ遅らせるための策を講じるよう頼まれたとチーム側に伝え、このレギュレーション変更を支持するよう圧力をかけたことがわかっている。
フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロは、最終戦ダブルポイント導入に関しては疑問を感じており、長期的には考え直す必要があるかもしれないと示唆している。
「最終戦に大量のポイントを与えるという決定がなされたが、これに関してはあまり喜んではいない」とディ・モンテゼモロはフィオラノにおいてメディアにコメントした。
「どうなるか分からないが、あまりにも人為的に思える」
ディ・モンテゼモロは、来月、他チームとのトップ会談を開き、ダブルポイントなど規則変更を含む、F1の将来について話し合いたい意向を示している。
しかしダブルポイント規則はすでに決定した事項であるため来年のシーズン前に撤回するのは難しいと、ディ・モンテゼモロは考えている。
「私個人としては疑問に思っている。協議し解決法を見つけるための一番いい方法は、1年試してみてその結果を見ることだ。今判断するのは早すぎる」
「また、チームがイエスと言ったのに今我々がノーと言っているという印象を与えたくはない。ただ、個人的に疑問を抱いているため、(FIA会長ジャン・)トッドにも、バーニーにもそれについては非公式に話をした」
「この決定が将来変更されたとしても驚かない。たとえば、F1では予選のシステムを何度も変更している」
一方、フェラーリのチームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリは、世間から大きな批判の声が上がっているため、再検討する可能性もあると述べている。
「再考するということは関係者全員の声に耳を傾けるということなので、間違ったことではないと思う」
先週末、エクレストン本人は、終盤3戦にわたってダブルポイントにするか、完全にこの規則を廃止するか、どちらかにすべきであるとの発言を行った。