レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

インフォメーションニュース

投稿日: 2011.04.01 00:00
更新日: 2018.02.16 01:38

ポルシェのクラシックカーレースシーズンが開幕


「ローリングミュージアム」2011年前半のハイライト

ポルシェ クラシックカーのレースシーズン開幕

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラーで)は、2011年もポルシェミュージアムのクラシックカーで世界各国のイベントに出場し、新しい伝説を生み出そうとしています。各イベントでは、ポルシェの歴史の生き証人であるこれらの車がポルシェミュージアムのワークショップスペシャリストにより最高のコンディションでイベントに臨めるよう準備を整えます。ツッフェンハウゼン生まれのスポーツカーがダイナミックであるのと同様、今年も変化に富んだイベントが予定されています。

初戦となるのは、オーストラリアで開催される第20回タルガ タスマニアです。そこでは非常に特別な出会いが予定されています。1980年のサンレモ ラリーで伝説的な走りを見せ、その年のWRCタイトルを獲得したヴァルター・ロールとクリスティアン・ガイストドルファーが30年後、再びコンビを組んでポルシェ911 SCで参戦することになったからです。トレードマークの「ダックテール」を備えたホワイトの911は、25年間レースから遠ざかっており、今回ポルシェミュージアムによって徹底的なレストアが行われました。この911 SCと共に走るのは、1960年のタルガフロリオで優勝した718 RS 60スパイダーと1969年のタルガフロリオで優勝を収めた908/02スパイダーです。4月5日から5日間かけてタスマニア北部で行われるラリーは、1992年の初開催以来、クラシックカーと新しい車の双方が参加して行われています。今年はラリーの模様を初めてインターネットで見ることができるようになりました(www.youtube.com/porsche)。

2011年5月12日の夜に始まるミッレミリアでは、他のポルシェのクラシックカーと同様に古くからの常連となっている550スパイダーが参戦します。1954年、550スパイダーは初めてイタリアのブレシアからローマに向かい、再びブレシアに戻る1,000マイルを走破し、歴史に名を刻みましたが、これは主にドライバー、ハンス・ヘルマンの大胆な走りによるものでした。このときアルミボディの550を駆っていたハンス・ヘルマンは、踏切の遮断機が降りる中をくぐり抜け、ドライバーも車も無事だったという逸話を残しました。このスパイダーとともに走るのは、「クニックシャイベ」(ベントウインドウ)と呼ばれるV字型のフロントウインドウを備えた356クーペです。このバージョンのポルシェ356のフロントウインドウがこのように名付けられたのは、ウインドウがワンピース構造で中央にフレームがないにも関わらず、中央部分で曲がっていたためです。

24年前から開催され、著名なクラシックカーイベントのひとつとなっているキッツビュール アルペンラリーには、356 B 2000 GS カレラGTが出場する予定です。エアロダイナミクス上の理由からリアウインドウに急な傾斜が付けられた印象的なシルエットのために、この車は世界中で「ドライカントシャーバー」(おおむね「ウェッジブレード」の意味)として知られています。2台しか生産されなかったこの「ドライカントシャーバー」は、2011年5月25〜28日、チロル、ザルツブルク、バイエルン州の山道で目にすることができます。

グッドウッド スピードフェスティバルは、ポルシェを抜きにしては語れません。このモータースポーツイベントは、1993年以来、毎年ウェスト サセックスのマーチ卿の所有地で開催されており、今年は6月30日〜7月3日に予定されています。今年はレーシングカー、804と908が奏でる8気筒のデュエットに期待が集まります。車両重量わずか461 kgの804は、完全にポルシェによって開発・製造された唯一のF1レーシングカーで、1962年のフランスグランプリで優勝しています。またFRP製のわずか12 kgのボディを備えた908/3スパイダーは、究極の軽量構造例として知られるモデルで、1970年と1971年に参戦した4レース中、3つのレースで優勝を果たしました。

今年前半のあと2つのクラシックカーのハイライトは、オーストリアで行われる2つのイベント、シルヴレッタ クラシックとエンシュタール クラシックです。7月7〜10日、ポルシェ356 Bカレラ・アバルトはアルプスの高地でその信頼性の高さを証明することでしょう。この非常に流線形で軽量な356の最初のプロトタイプは、1960年のル・マン24時間レースでクラス優勝を果たしました。その直後の7月13日に始まる第19回エンシュタール クラシックに参戦するのは、ボクスターのルーツとなった718 RS 60スパイダーです。この車は1960年、セブリング12時間レースで優勝し、米国における初めての完全な勝利をポルシェにもたらしました。もうひとつ約束されているのは、ポルシェ初のプラスチックボディを備えた904です。この車は最初にベールを脱いでからわずか6カ月後にタルガフロリオで優勝し、またモンテカルロラリーとル・マンでも真価を発揮しました。今日、904は最も美しいレーシングカーのひとつと見なされています。

このような「ローリングミュージアム」というコンセプトによって、ポルシェは独自の道を歩んでいます。ミュージアムのほとんどすべての展示車両がいまだに走行可能であり、しかも最初にこれらの車が造られたときの性能を保っています。ポルシェミュージアムは変化と活気そのものであり、これによって自動車博物館としてはほとんど他に類を見ないものとなっています。従来の静的な展示ではなく、たえず展示車両の配置を変えることで、万華鏡のようなイメージを作り出しています。

ポルシェミュージアムの開館時間は午前9時〜午後6時で、定休日は月曜日です。詳しくはホームページをご覧ください(www.porsche.com/museum)。


関連のニュース