マルシャF1チームは1日、ルイス・ラジアに代えてフランス人ドライバーのジュール・ビアンキを2013年のレースドライバーに起用すると発表した。
フォース・インディアのシート争いに敗れたビアンキが急転直下、一夜にしてF1デビューを手に入れた。マルシャはこの日、チームと2013年のドライバー契約を結んでいたルイス・ラジアとの契約を解除し、彼に代えてビアンキを起用すると正式にアナウンスした。
ビアンキは、2013年の開幕戦オーストラリアGPまで2週間を切り、オフシーズンテストも終盤を迎えているなかでのチーム合流となるが、残り2日間の合同テストに参加し、急ピッチでF1デビューの準備を整えることになった。
「我々はルイス・ラジアとの契約を解除しなければならない状況にあることに気付いた」と、マルシャのチーム代表、ジョン・ブースは声明の中で語っている。
「2013年の基礎を明確にし、新しい構造を築くためのステップを考慮すれば、他に選択肢はなかった。我々の主義に従えば、それが長期的な将来を確保する鍵だった」
マルシャを巡っては、今年1月にも今季の契約を有していたティモ・グロックがチームと合意の上で離脱。グロックは直後にBMWと契約し、DTMドイツツーリングカー選手権への転向を決めたが、この離脱の背景にはチームの商業的な要因が絡んでいたことが明らかとなっている。
ラジアは、その要因を解消するかたちで新たにチーム入りしたが、ここにきてラジアのスポンサーに支払いの遅れがあることが発覚。ラジアは2回目以降の合同テストで走る機会を与えられないまま、チームを去る結果となった。