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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.06.11 00:00
更新日: 2018.02.16 09:35

メカの頑張りに発奮、伊藤と大嶋「レースが出来た」


SUPER GT 2012 series
Round3 セパンインターナショナルサーキット
6月9日(土)予選 / 6月10日(日)決勝

灼熱のマレーシア、セパン・インターナショナル・サーキットで迎えた2012 SUPER GT第3戦。環境の異なる海外戦だけに、毎年ドラマが展開される一戦ではあるが、今年その見所あるレース展開を繰り広げたのは、まさにこのENEOS SUSTINA SC430であった。

 6月9日(土)、今回の予選はスーパーラップ方式で行われるため、それに先立って15:45~16:00の15分間でスーパーラップ出場の上位8台の枠を争う予選Q1が行われた。開始時の気温31℃、路面温度44℃、天候は曇り。Q1を担当したのは大嶋和也。セッションが5分ほど経過した後にコースインすると、ウォームアップを終えていよいよアタックを開始。セクター1、セクター2とトップタイムを刻んでいた矢先、突然のエンジンブローによりマシンは白煙を上げながらコース脇に停止してしまう。セッションはここでいったん赤旗中断となったが、LEXUS TEAM LeMans ENEOSの予選はここで終了。決勝レースには最後尾スタートより挑むこととなった。

 6月10日(日)、空が晴れて前日より日差しが強くなり、マレーシアらしい気候となった。ENEOS SUSTINA SC430は、前日深夜に及ぶ作業によりエンジン交換を終え、午前のフリー走行で2番手を獲得し、その完全復活を見せつけた。決勝フォーメーションラップのスタートは16:00。開始時の気温33℃、路面温度51℃。今回はスタートドライバーを伊藤大輔が務めた。通常1周で行われるフォーメーションラップが今回は2周に渡って続いたため、全54周予定の決勝レースが、1周減算の53周で行われることとなった。最後尾15番手スタートの伊藤は、オープニングラップで早くも2つ順位を上げて13番手に。4周目を終えて10番手まで浮上すると、ここから7番手までは集団が続いた。ポジションが上がるにつれ、周りのマシンのラップタイムも上がって行くが、伊藤はトップと遜色ないラップタイムを刻み続け、1台また1台とパスしてポジションを上げて行く。18周目にはとうとう10台抜きという凄まじい追い上げを成し遂げ、5番手にポジションを上げる。23周あたりからピットに入るマシンが現れ始め、前車が2台 ピットに入り3番手にポジションを上げた26周で伊藤もピットイン。タイヤ交換、給油、ドライバー交代という通常のピット作業を終えると、大嶋がステアリングを握るENEOS SUSTINA SC430は5番手でコースに戻る。30周で早くも1台パスして4番手に順位を上げると、あっという間に3番手のマシンに追いつき、3番手争いを繰り広げる。42周でとうとう3番手にポジションアップ。しかし2番手のマシンとはこの時点で12秒の差を開けられており、大嶋はレース終盤、しっかり3番手のポジションをキープすることに専念。ここまでの怒涛の追い上げで築き上げたポジションをしっかり守り切って3位でチェッカーを受け、今季初表彰台を獲得した。

⇒黒澤琢弥 監督のコメント:
「今回は波乱万丈なレースウィークでした。練習走行ではものすごく調子が良かったのが、予選で突如エンジンブロー。メカニックたちは、暑いセパンで夜遅くまでのエンジン交換作業は大変だったと思いますが、その頑張りのおかげで決勝朝のフリー走行で、クルマはしっかり元の調子に戻っていて、最後尾スタートとは言え、レース前はどこまで追い上げられるかというのが楽しみでもありました。期待通りレースではドライバーが 2人ともクルマのポテンシャルを十分に引き出した素晴らしい追い上げを見せてくれました。日本から多数駆けつけていただいたENEOSの皆様をはじめ、温かいご声援をいただいた皆様に本当に感謝いたします。ありがとうございました。」

⇒伊藤大輔のコメント:
「久々に“レース”が出来たなという感じです。予選のトラブルがあって最後尾からのスタートになってしまいましたが、結果的に表彰台まで来られて良かったです。メカニックも夜遅くまで頑張って仕事をしてくれたし、その頑張りに応えられるよう、僕と大嶋選手も何とか形で残したいなと思っていたので。スタートして、何よりクルマのポテンシャルが高かったので、いっぱい抜いてピットに戻ってくることができました。大嶋選手にバトンタッチしてからも、彼もクレバーな走りでちゃんと3位までポジションを上げてくれて、今回はチーム全員が良い仕事をできたんじゃないかと思います。このまま良い流れを持って、次戦の菅生も優勝目指して頑張ります。ご声援ありがとうございました。」

⇒大嶋和也のコメント:
「ここまで開幕戦、2戦目とミスが続いて、ずっと良いレースができてなかったので、今回は何とか優勝しようと思って一生懸命準備を整えてきました。走り始めからすごくクルマの調子が良く、今回はポール・トゥ・ウィンを狙えるなと思って気合入れて挑んだ予選でエンジンブローして、その時は正直もうダメかなと一瞬思ってしまったんですが、メカニックがすごく頑張ってクルマを直してくれたので、大輔さんと『僕らも諦めちゃいけないな』と、最後尾から優勝狙って行きましょうとレース前に話しました。その結果、大輔さんはスタートからものすごい勢いで追い上げてくれて、僕に交代した時には5位だったし、僕に代わってからもクルマはすごく調子良くて、結構簡単に3位まで上がれました。欲を言えばもちろんもっと前を追いたかったですが、2番手とはかなりのタイム差があり、無理に追い掛けるよりも確実に3番手をキープしようということになりました。今日は良いレースができたと思います。たくさんの応援ありがとうございました。」


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