レッドブルはマレーシアGPで、翼端板にユニークな処理を施したリヤウイングを投入してきた。通常の翼端板はウイングのメインフラップより上の部分にスリットが数本入っており、これはメインフラップと翼端板との間にできた乱流をスリットから逃がし出すことで、フラップの実行面積を増やす目的で作られている。
そのスリットが最近は翼端板の上だけでなく、前側の縁にも設けられるようになった。ところが、レッドブルが今回、投入してきたリヤウイングは上側のスリットと前側のスリットが合体させて、L字型のスリットとなっている。
レッドブルは、この翼端板を開幕前最後のバルセロナ・テストに持ち込んでいた。そして開幕戦にも持ってきていたのだが、パワーユニットのトラブルによって十分に走りこむことができず、土曜日以降の使用を断念した。つまり、マレーシアGPで約1カ月遅れの実戦投入となったのだが、ダニエル・リカルドはブレーキの問題も抱え、レースではペースが上がらなかった。不振の原因はシャシーにあるのか、パワーユニットのドライバビリティ不足なのか判明していないが、同じルノー製パワーユニットを搭載するトロロッソの後塵を拝してしまったという結果を考えると、このリヤウイングを含むマシンパッケージにも改善の余地があるのかもしれない。
今シーズンのレッドブルがトンネルから抜け出すには、まだ時間がかかりそうだ。