メルセデスのチーム代表、ロス・ブラウンは、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの間にナンバー1とナンバー2の区別はなく、完全に平等に扱っていると語った。
マレーシアGP終盤、ペースが上がらないハミルトンをロズベルグが抜くことをチームは許さず、ハミルトンは移籍後初の表彰台を獲得した。
Sky Sportsの報道によると、解説のマーティン・ブランドルは、ハミルトンは優先される待遇を保証されなければマクラーレンからメルセデスに移籍しなかっただろうとの考えを示したという。
しかしブラウンは、ハミルトンはナンバー1ではなく、ふたりのドライバーは完全に平等な立場で戦っていると主張した。
「ルイスはレースをしたがっている。ルイスとの契約交渉の際、彼の側から誰がナンバー1で誰がナンバー2かという話題は全く出なかった」とブラウンがThe F1 ShowにおいてコメントしたとSky Sports F1が報じた。
「彼が望んでいるのは平等であることだけだ。同じ道具、同じチャンスを欲しがっている。彼が自信を持っており、優先されたくないというアプローチをとっているのは素晴らしいことだ」
ハミルトンが燃料切れのおそれがあったためペースを上げられなかったことはレース中の段階から明らかになっていたが、ブラウンは後にロズベルグのマシンも似たような状況だったと説明し、3位と4位のポジションを確実に手に入れるには順位維持を指示するしかなかったと主張した。
しかしブラウンは、通常の状況であればメルセデスはドライバーたちを自由に戦わせたいと思っており、辛い決断だったとも述べている。
「ああいった決断を下さざるを得ない状況は好きではない。だが2台とも燃料切れを起こしてしまったら、間が抜けて見えただろう」とブラウン。
「マレーシアで出したような指示を出さざるを得ないというのは、好ましいことではない。私自身のスポーツ精神に反するし、我々はこれまで何度となく、喜んでドライバーたちをレースで競わせ、そういう考えであることを示してきた」
メルセデスは開幕戦ではハミルトン5位、ロズベルグはリタイアという結果だったが、第2戦にレッドブル・レーシングに次ぐ3位と4位を獲得、コンストラクターズランキング2位からわずか3ポイント差の4位につけている。