メルセデスが2012年型F1マシンのデビューを遅らせたのは、ライバルたちにコピーされたくない新たなアイデアがあるからではないかと推測されている。
メルセデスはライバルたちと異なり、今年初のF1合同テストでは昨年型マシンで参加、2回目のテストで新車を披露する。チームプリンシパルのロス・ブラウンは、ファクトリーでの開発時間を多くとりたいための戦略だと説明している。
レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューエイは、ロイターに対し、メルセデスは新車に導入した新たなアイデアをコピーされないためにデビューを遅らせた可能性があると述べた。
「(メルセデスの)新車は前回のテストの時点で準備ができていたがあえて走らせなかったというのは本当か、だとしたらその理由は何か、とドイツのプレスから聞かれた」とニューエイ。
「『私には分からないが、マシンに大きな効果をもたらすアイデアを採用していて、それが比較的簡単にコピーできるとすれば、そうする可能性はあるね』と私は答えた。それが理由だとは言わないが、その可能性はある」
ニューエイは、ライバルのマシンのアイデアを評価し、自分のマシンに取り入れるには約6週間かかると述べている。
最近ではマクラーレンのFダクトとレッドブルのエキゾーストシステムが、他チームから模倣された。
「昨年我々が最初のテストで独自のエキゾーストを使用したら、マクラーレンも認めているように、開幕戦までに彼らはコピーしてきた。後から考えれば、(新システムの採用を)もう少し遅らせるべきだったのかもしれない」とニューエイは述べている。
一方、もしメルセデスの新車のパフォーマンスが圧倒的によければ調査をするが、今の段階では他のマシンをチェックするよりも自分のマシンを理解することの方が重要であると、ニューエイは述べている。