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F1ニュース

投稿日: 2011.05.25 00:00
更新日: 2018.02.16 02:34

モナコデビューのスーパーソフト、耐久性は10周以下


2011年モナコGP
ピレリのスーパーソフト・タイヤ、モナコ公国でデビューへ

2011年5月23日、ミラノ

グランプリ概略
カレンダーの中でも高速の部類に入るカタルーニャ・サーキットでのスペインGPを終え、ピレリは最低速のレースであり、最も魅惑的なレースであるモナコへと向かいます。モナコ公国のタイトでツイスティな市街地サーキットは、この地でデビューを迎えるピレリのPZeroレッド、スーパーソフト・タイヤに最適な場所です。そして開幕5戦で“オプション”として使用されたPZeroイエロー、ソフト・タイヤが“プライム”として供給されます。

PZeroレッドはピレリの中でも最も極端な特性を持ったタイヤで、予選専用タイヤというわけではありませんが、PZeroタイヤのラインナップの中で最も優れた性能を発揮するタイヤです。温まりが非常に良いことが特性のひとつで、走り始めからすぐに最大限の性能を発揮することができます。しかし非常に柔らかいコンパウンドであるため、耐久性は10周以下となっています。約200リットルの燃料を搭載して走行するレース序盤ならば、それよりもさらに少ない周回数となるはずです。

モナコの市街地サーキットはオーバーテイクポイントが少なく、予選が極めて重要となります。しかしランオフエリアはほとんどなく、事故やセッション中断は日常茶飯事です。天候も変わりやすく、モナコGPは最も予測が難しくエキサイティングなレースのひとつになります。過去には何人もの意外な勝者が誕生しています。そして今年ピレリが供給するタイヤの組み合わせによって、バルセロナでもそうだったようにレース戦略の可能性も広がってくるでしょう。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「モナコは他のどのサーキットとも全く異なりますし、F1の至宝とでも言うべき存在ですから、とにかく素晴らしいレースです。ピレリのPZeroレッド・スーパーソフトがこのツイスティな市街地サーキットでどのようなデビューを果たしてくれるか、非常に楽しみにしています。常設サーキットでしかテストができない我々にとっては完全に初めての経験となります。スーパーソフト・タイヤは短期的に高い性能を発揮するように設計されていて、それゆえに耐久性は劣ります。ですから、各チームはレース戦略を慎重に検討する必要があるでしょう。その正否が、レースの勝敗を分けることになるはずです。PZeroイエローはすでにロングランでも信頼性が高いことが証明され、高い評価を得ています。ドライバーが限界ぎりぎりまでプッシュするために必要な信頼感を提供し、非常に接近したバトルを可能にしています。我々はかねてから、ドライバーたちにレースを取り戻してあげたいと述べてきました。モナコもそうなることを期待しています」

ドライバーのコメント ヤルノ・トゥルーリ(ロータス):
「誰にとってもモナコは特別な経験だよ。1年の中でも最もエキサイティングなレースのひとつだし、ドライビングしていても歩くだけでも、どれだけエキサイティングかという雰囲気が感じられるはずだよ。レーシングドライバーなら誰だってモナコで勝ちたいと思うはずだし、僕は2004年にそれが果たせてとても幸運だったと思っているよ。でも実際のレースではプレッシャーがとても大きいし、熟考し集中するのはとても難しいんだ。1周を上手くまとめるのも難しい。でもトラフィックを上手く避けてそれができた時にはとても高い満足度が得られるんだ。もちろん今年もタイヤがとても重要な役割を果たすだろう。今シーズンすでに、正しいタイヤ戦略を選び実行することがいかに大事かは証明されてきているし、空力性能がさほど大きく影響しないモナコのようなサーキットでは、タイヤの性能を上手く引き出すことがさらに重要になってくると思うよ」

テクニカルノートとこれまでの供給タイヤ選択:
・モナコは1年のうちで最も低速なレースで、週末を通して路面コンディションは大きく向上します。レースの前だけでなく、レース週末の各曜日の夜にもサーキットは一般に開放されるため、メカニカルグリップの量は常に変化し、予測は非常に困難です。

・伝説のドライバー、アイルトン・セナ(F1初戦ではピレリを履いていました)が、モナコで最も成功を収めたドライバーで、計6勝を挙げており、そのなかに5年連続優勝も含まれています。最多勝利チームはマクラーレンで、15勝。最後の勝利は2007年のフェルナンド・アロンソです。

・モナコは最近のレースの中では最もピットストップが少なかったレースの記録を持っています。1992年はレース全体で僅か2回のピットストップしか行なわれず。17周目のマーティン・ブランドル(ベネトン・フォード)と71周目のナイジェル・マンセル(ウイリアムズ・ルノー)だけでした。完走台数が最も少なかったレースの記録もモナコで、1996年はわずか4台しか完走していません。

モナコでのピレリ
・ウルトラハイパフォーマンス・タイヤの世界的リーダーブランドであるピレリは、モナコでは最も売り上げの多いタイヤブランドのひとつです。なぜなら、モナコでは非常に多くのスーパーカーが保有されているからです。人口当たりのランボルギーニ(ピレリPZeroタイヤを標準装備)所有台数は、世界一です。

・モナコは1965年、2作目のピレリカレンダーの撮影場所に選ばれました。スウィンギング・シクスティーズの象徴であり、デビッド・ボウイのアルバム写真も撮影した英国人のブライアン・ダフィーが撮影を担当しました。

・ピレリはモンテカルロ・ラリーでは数々の栄光を手にしており、13回の優勝を飾っています。2010年にはフィンランド人のミッコ・ヒルボネンがピレリタイヤでフォードに勝利をもたらしました。F1での最後の勝利は1957年、マセラティ250Fを運転したファン・マヌエル・マンジオによるものでした。


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