ルノーチームのテクニカルディレクター、ボブ・ベルは、今週末のベルギーGPでチームは前戦ヨーロッパGPと同様の競争力を発揮するだろうと述べた。また、しばらく使用していなかったKERSをイタリアGPで使用することを検討していること、今後は来年型のマシンの開発に重点を置いていくことを認めた。
ベルは、フェルナンド・アロンソが6位に入り3ポイントを獲得したヨーロッパGPに関し、表彰台を狙っていたが、アロンソにブレーキトラブルが発生し予選で8位に終わったため、全体的に不本意な結果となったと述べた。
「再びポイントが獲れてよかったが、先週末にはもっと上を狙っていたので、全体的に満足できなかった。表彰台を狙えたはずだったのだ。フェルナンドがプラクティスで速かったため、予選でフロントローにつけるポテンシャルはあると自信を持っていた。しかし残念ながらブレーキにトラブルが発生し、8位に終わってしまった。レースでふたつ順位を上げたわけだが、ストリートサーキットは追い抜きがとても難しいため、これが我々が望める限界だったのだろう」
ベルギーGPでもルノーはベルギー同様のパフォーマンスを見せるだろうと、ベルは考えている。
「スパはテクニカルなサーキットで、さまざまな難問を突きつけてくる。高速の部分も低速な部分もあるサーキットだ。我々のマシンは全車中最速のポジションにはないけれど、それはR29が、一部のサーキットで特有の弱点を見せるというよりは、あらゆるエリアのパフォーマンスが少しまだ足りないからだ。最近のレースでのパフォーマンスからして、スパでも同様の競争力を発揮できるものと考えている」
ベルは、ここ数戦使用していないKERSを、第13戦イタリアGPで使用することを検討していると認めると共に、今後は来季型マシンR30の開発に徐々に重点を置いていくと述べた。
「常に新たな開発を加えているが、次の2戦にはローダウンフォースパッケージを使用する。KERSについては、スパでは使用しないが、モンツァではかなりのアドバンテージになると思うので、使用を検討している」
「終盤戦に入ってR29の開発を推し進め、同時にR30の作業も行っていることで、リソースが極限まで酷使されている。我々は1週ごとのペースで状況を管理し、R29の改善に全力を尽くすと共に、徐々に来年のマシンへとより多くのリソースを配分していく。来年空力レギュレーションが変わらないのはよかった。R30から学んだことを現在のマシンに活用できるからね。だがこれからは、労力の大部分は来年のマシンに注いでいくことになるだろう」
