最終戦アブダビGPにドライバーズタイトル決定がもつれこむ中、レッドブル・レーシングがセバスチャン・ベッテルとマーク・ウエーバーにチームオーダーを出すのかどうかに注目が集まっている。
海外メディアの一部はウエーバーを優先しないレッドブルの姿勢に批判的な報道を行っていると、Motorsport.comが伝えている。
ブラジルGPではベッテルが優勝し、ランキングで彼より上位のマーク・ウエーバーが2位でフィニッシュした。レッドブルはふたりの順位を入れ替えさせず、それによってライバルのフェルナンド・アロンソに対し有利な状況を与えることになった。
Der Spiegelは「レッドブル、アロンソに翼を授ける」という表現を用いた。
「チームはウエーバーのことをベッテルと戦う存在として負担に思っている。そういったチームでウエーバーがドライブするのは簡単なことではない」とLa Gazzetta dello Sport。
Tuttosportは「オーストリアのチームはウエーバーがベッテルを倒すのを見るぐらいなら負けた方がいいのだろう」と伝えている。
La Repubblicaは「レッドブルにチームオーダーなし。またもやオウンゴール」との見出しをつけた。
ホアン・ビラデルプラットは、El Paisにおけるコラムで「もしレッドブルが数戦前にウエーバーを優先していたら、彼は今頃チャンピオンになっていたかもしれない」と記した。
一方レッドブル社のボス、ディートリッヒ・マテシッツは、Salzburger Nachrichten紙に対し、「きちんとした状況で獲った2位の方が1位より価値があることもある」と述べている。
しかしルーベンス・バリチェロは、もしベッテルがランキングでウエーバーより上位だったらチームは同じスタンスをとっただろうかと疑問を呈している。
「僕はふたりのドライバーを平等にコース上で戦わせるという姿勢をいつだって支持しているが、もし状況が逆だったら彼らはそうしただろうか」とバリチェロ。
ウエーバーは、もしチームオーダーがなされるとしても、最終戦の最終ラップになるだろうと述べている。ニキ・ラウダは、ベッテルはチームの一員であり、最終ラップを待たずにウエーバーを助けるべきであるとコメントし、ウエーバーもそれが正しいと述べている。
チームボスのクリスチャン・ホーナーもそういう考えを認めるような発言をしている。
「我々は今年フェルナンドにすでにあまりにもたくさんの贈り物をしてきた」という彼のコメントをAutosprintが伝えている。