レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、メルセデスは違法なテストによりタイヤの問題を解決したと考えており、今週末のイギリスGPの彼らのタイヤマネジメントに注目している。
メルセデスは5月にタイヤテストを行い、その際に現行マシンを走らせるというレギュレーション違反を犯した。これが発覚し、FIA国際法廷に裁定が委ねられたが、メルセデスは規則違反を犯し不公平なアドバンテージを得たものの不正の意志はなかったと判断され、処罰は戒告および7月の若手ドライバーテストへの参加禁止にとどめられた。
この罰は軽いとして、レッドブル、フェラーリらライバルチームは不満を表している。
判決が出た直後にはホーナーは、国際法廷が決めた処罰を受け入れるとコメントしていたものの、その後、より率直な発言を行った。
「少し混乱させられるのは、ペナルティの甘さだ」とホーナーはロイターとPAのインタビューにおいて26日に語っている。
「メルセデスに与えられたペナルティの問題点は、スポーティングレギュレーションの違反を抑止するほど強いものでないことだ。(メルセデスの本拠)ブラックリーでは皆、心から安堵したことだろう」
さらにホーナーは、ずっとタイヤのマネジメントに苦労してきたメルセデスが、スペインGP後に行ったテストによって、タイヤをうまく使えるようになったと考えており、今週末のイギリスGPのメルセデスのパフォーマンスを見守っていくと語った。
バーレーンGPでニコ・ロズベルグはポールポジションから9位フィニッシュ、スペインGPではポールポジションから6位フィニッシュにとどまったが、モナコGPではポール・トゥ・フィニッシュを飾った。ルイス・ハミルトンはスペインで2番グリッドから12位という結果だったが、モナコでは2番グリッドから4位に入った。
前戦カナダGPではハミルトンは予選2位・決勝3位、ロズベルグは予選4位・決勝5位という結果だった。
「忘れてならないのは、バルセロナでメルセデスは2台がフロントロウからスタートしながら、1台は(6位で)入賞、もう1台は(12位で)ポイント圏外という結果だったことだ。彼らは全チームの中で最も高いデグラデーションに苦しめられたといっていいだろう」とホーナーは述べている。
「しかし次のグランプリでは彼らのデグラデーションは最も低いレベルになった。これは単なる偶然の一致かもしれない。(モンテカルロの)サーキットの特性の影響が大きかったのだろう」
「だがモントリオールで彼らは以前経験したようなタイヤの問題に見舞われなかった。(イギリスGPが)どうなるのか注目だ」