全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦は6日、ツインリンクもてぎで23周の決勝レース1が行われ、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)がポール・トゥ・ウインを飾り、2011年のドライバーズチャンピオンを獲得した。
雨模様のコンディションとなった決勝日のもてぎだが、スタート前にはほとんど雨もやみ、路面もハーフウエットという状態。直前に行われたウォームアップ走行ではドライタイヤを履くマシンもあり、スタートグリッドについたロッテラーや3番グリッドの中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)ら多くはドライタイヤを装着。ウエットタイヤをチョイスしたのは山本尚貴(TEAM 無限)ほか3台のみとなった。レース距離は23周でタイヤ交換の義務づけはない。
スタートはポールシッターのロッテラーがホールショットを奪い、2番手グリッドの塚越広大(DOCOMO DANDELION)が大きく遅れる間に3番手の一貴が2番手にアップ。3番手はジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)となったが、オリベイラはスタート前のフォーメンションラップでスピンしながら、そのまま自身のグリッドについたため、3周目走行中にドライブスルーペナルティを科せられ、その後もスピンを喫するなどして最後尾までポジションを落としてしまった。
序盤のレースはロッテラーがトップを走り、中嶋一貴が1秒弱の差で続くというふたりのマッチーレースに。すると一貴は5周目以降に3周連続で最速ラップを刻み、ロッテラーにプレッシャーをかける。しかし、トップ走行のロッテラーはすぐさまそれに応えるようにペースをコントロールし、トップの座を守っていった。
3番手走行はスタートで遅れた塚越広大が4番手スタートの大嶋和也(Team LeMans)と接戦を展開。6番手スタートだった石浦宏明(KYGNAS SUNOCO)はスタート直後の1コーナーで数台が絡む混乱に巻き込まれ、レース中盤は9番手を走行。小暮卓史(NAKAJIMA RACING)は序盤に左のフロントウイングを失うアクシデントにあい、その状態で走行を続けた小暮卓史は7番手を走行することになった。
そうする間にレースは早くも残り10周となり、この時点の順位はロッテラー、中嶋一貴、塚越広大、大嶋和也、国本雄資(Project μ /cerumo・INGING)、伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)というトップ6。その後トップ争いは、追う一貴がレース後半もロッテラーとの差を縮め、テール・トゥ・ノーズの状態まで迫り俄然ヒートアップ。ふたりの差はついに1秒以内に突入する。
しかし、レースが残り5周を迎えると、中嶋一貴のペースがやや落ち、その差は1.7秒まで広がる。トップのロッテラーはその後も2番手一貴との差を維持すると、そのままSUGOに続く今季4回目のトップチェッカーを受け、初のフォーミュラ・ニッポンチャンピオンに輝いた。中嶋一貴は2位でPETRONAS TOM'Sが1-2フィニッシュ。3位には塚越広大が入った。
終盤、塚越と4番手争いを繰り広げた大嶋和也は19周目に一度は塚越をオーバーテイクしたものの、直後に90度コーナーでコースオフしてクラッシュ。手に入れかけていた表彰台を逃してしまった。スポット参戦の武藤英紀(HP REAL RACING)は、レース中盤にフロントウイングを失い、ピットでレースを終えている。
