いよいよ今週末に迎える全日本選手権フォーミュラ・ニッポン最終戦ツインリンクもてぎ。4ポイント差でチームメイトでランキング首位のアンドレ・ロッテラーを追う立場にある中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)が、最終戦に向け意気込みを語った。
2009年まではF1で戦い、2010年はレーシングカーのシートにほとんど収まることすらなかった一貴。2011年はひさびさに日本国内に活動の場を移し、スーパーGTではPETRONAS TOM'S SC430、そしてフォーミュラ・ニッポンではPETRONAS TOM'Sから参戦。特にフォーミュラ・ニッポンでは、開幕戦鈴鹿で予選は苦しみながらもいきなり3位表彰台を獲得。続くオートポリスでも、予選で失敗しながら決勝は戦略をズバリと成功させ、いきなりフォーミュラ・ニッポン初勝利を飾った。
そんな一貴はその後もランキング首位のロッテラーと争いながら、なんとここまで全戦表彰台を獲得。ロッテラーと4点差のランキング2位で最終戦を迎える。
「(東日本大震災の影響で)シーズン開幕が遅れたり台風が来たり(鈴鹿戦が台風12号の影響で中止)と、いろんなことがあったシーズンでしたが、それもあってかあっという間だな、というのが印象ですね。シーズン前半苦戦した部分もありつつ、結果を出すことができていて、中盤からはそれなりに安定した戦いができていますね」と今年のシーズンを振り返る一貴。
「いちばんの目標がシリーズチャンピオンを獲ることですし、最終戦前にその権利があり、チャンピオンを争えているのはすごく充実感があります」と言う一貴は、最終戦の舞台であるツインリンクもてぎは「自分としては自然に走れるサーキット」だという。
もてぎは震災の影響で再舗装されている部分もあるが、「新しい部分はフラットで富士を走っているような感じなんですけど、古い舗装のところだとけっこうギャップもありますし、その分難しいところは車高の調整ですね。あんまり下げすぎると(マシン底部を擦って)車検に引っかかることもありますが、でもなるべく下げていきたい。難しいジレンマですね(苦笑)。攻め甲斐もある」と一貴。
今回は通常のフォーミュラ・ニッポンのレースとは異なり、距離が短い2レースでの開催。今季一貴が得意とした戦略を採ることができない可能性もあるが、「今回はフォーミュラらしいガチンコのレースになると思いますからね。そのあたりは新しい見どころだと思います」と歓迎の様子だ。
「まだミーティングをしていないので先入観もありませんが、スプリントレース2回ということで、今まで以上に予選とスタートが重要になるであろうことは理解しています」
「(ノックアウト予選)Q1の結果で第1レースのグリッドが決まるということで、今まで以上にQ1の戦い方が重要になるでしょうし、Q1〜Q3で気持ちを上げていっていた部分が、Q1からバシっといかなければいけないですからね。同時にQ1で攻めなければいけませんが、ミスをしてもいけない。すごく難しい予選になるでしょうね」
一貴は今回のレースではロッテラーに先んじるだけでなく、他のライバル勢にも打ち勝たなければタイトルの可能性は無くなってしまう。一貴同様タイトルの可能性を残すジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、塚越広大(DOCOMO DANDELION)の動きも一貴は警戒する。
「間違いなくアンドレとJP(オリベイラ)は速いでしょうし、その後に塚越と自分がいる感じだったので、そこは間違いなく前の方で絡んでくるでしょうし、最近はTeam LeMansのふたりも速い。伊沢(拓也)君も前回もてぎは速かったし、一発では塚越君と差があるとは思わない。そのあたりは絡んでくるでしょうし、小暮(卓史)さんも今年はあまり調子が良くないときが多いですが、地力はあると思います。今ので何人上げたか分かりませんが(苦笑)、それくらいは前の方に絡んでくるでしょうね」と一貴。
「前回のもてぎよりも僅差で、かつ台数もトップ争いに絡んでくると思うので、レースとしても面白いでしょう。僕としては絡んでくる台数が多いのがいいのかは分かりませんが、自分の位置次第ですね(笑)。僕が前にいて、アンドレとの間に何台かがいればチャンスになるかもしれない」
もてぎではフォーミュラ・ニッポンほど僅差の戦いになると、逆に抜きどころが多くはないサーキット。抜きどころは「バックストレートから90度コーナー」というが、「実際は予選とスタートがいちばんのポイントになるだろうと思っています」と前方グリッドからいかに前に出るかが勝負と見る一貴。
過去には劇的な逆転劇が多く見られたフォーミュラ・ニッポン。一貴もそんな逆転劇の主役となるのだろうか……? 今週末のフォーミュラ・ニッポン最終戦ツインリンクもてぎはモータースポーツファンなら見逃せない一戦となりそうだ。
