今週末のシンガポールGPでBMWザウバーからF1復帰を果たすことになったニック・ハイドフェルドが、来季レースシートを得るためにはピレリのテストドライバーを続けた方が有利だったのではとの意見もあるかもしれないが、どうしてもレースがしたかったと語った。
ハイドフェルドは今季レースシートを失い、メルセデスGPのテスト&リザーブドライバーを務め、その後ピレリのタイヤ開発ドライバーに就任したが、シンガポールGPからペドロ・デ・ラ・ロサに代わってBMWザウバーからレースに復帰することが決まった。
「サードドライバーとなり、僕にとっては簡単なシーズンではなかった」とハイドフェルドはシンガポールGP木曜記者会見において語った。
「でもピレリで走る機会が訪れた。これはレースに復帰し、マシンに乗るための大きなステップだった。おそらくは来年に向けてもアドバンテージになったかもしれない。でも、シンガポール以降ザウバーで走るチャンスが訪れた時、僕はそれを逃さなかった」
「ピレリで走ったことはアドバンテージになるはずだ。だからピレリのテストドライバーを続けた方が、来年のためにはよかったんじゃないかと言う人もいるかもしれない。でも、ザウバーと今年の契約を結ぶチャンスが訪れた時、僕は復帰したいと思った。レースがしたかったんだ」
「契約は今季限りで、来年についてはザウバーに関しても他のチームに関しても全く何も決まっていない。この2、3週間、ザウバー以外のチームともすでに交渉を行っている」
F1キャリアが終わったと思ったことはなかったかとの問いに対して、ハイドフェルドは次のように答えている。
「終わったなんて一度も考えなかった。もちろん100パーセント確実なことなんてない。でもずっといくつかのチームと交渉をしてきたし、さまざまなチームから関心を示してもらい、今も関心を持ってもらっている。だから自分は復帰できると常に信じていたよ」
久しぶりの実戦となる今週末の目標を聞かれたハイドフェルドは、マシンもタイヤも初めてであるため、できるだけ早く慣れたいと語った。
「いつもどおり最大限のパフォーマンスを見せたいと思っている。マシンが持つすべての力を引き出したい。でも最初の週末は特に、マシンとタイヤのリズムをつかむことが重要になるだろう。僕はこのマシンを1kmも走らせたことがないんだからね。タイヤは今年変わったし、新しいタイヤのことを僕は知らない。だから、こういったことをどれだけ早く学べるかがとても重要だと思う」