ウエットコンディションとなったスーパーGT第8戦もてぎの予選日は、どの雨量でもダンロップが強く、雨量の少ない時にミシュランが、フルウエットでブリヂストンが優勢という勢力図が見られたが、明日の決勝はこの構図が一新されることになりそうだ。

 というのも、完全ウエットになった予選日とは異なり、雨が上がってドライコンディションになることが濃厚であるためだ。ツインリンクもてぎで行われたスーパーGTのレースでポールシッターが優勝した回数は、過去10年のうち実に7回にも上る。しかし、そのデータも明日はあまり役に立たなくなりそうだ。

 ドライコンディションでスタートした場合、鍵となるのが2番手のEpson NSX CONCEPT-GTと3番手のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTのホンダ勢だ。ミッドシップの宿命上、リヤタイヤに荷重が掛かりやすいウエットコンディションでは今回の予選のように速さを発揮するが、ドライの状況ではフロントタイヤが温まりづらく、さらにこの低い気温ではグレイニングやピックアップなどのトラブルが起きやすい。

 さらに、ダンロップタイヤを履くEpson NSXも雨の予選日ほどの速さをドライで発揮できるとは予想しづらく、この2〜3番手が4番手以降のタイトル候補たちを抑え込むという展開が想定される。当然、2番手以下が争っている間にKeePer TOM'S RC Fが逃げることができれば、優勝への道は開けてくる。

 もちろん、RAYBRIG NSXにもタイトルの権利は残っているわけで、簡単には抜かせないだろう。RAYBRIGの後ろにはPETRONAS TOM'S RC F、カルソニックIMPUL GT-R、ZENT CERUMO RC Fのチャンピオン候補3台が続く。タイトル獲得のためにビッグポイントが必要不可欠なPETRONAS RC FとZENT RC Fは早めにRAYBRIG NSXを抜きたいところだが、果たしてこの4台の戦いがどうなるか。

 一方、この3番手から6番手までの争いが膠着状態となってペースが落ちれば、12番手のMOTUL AUTECH GT-R、13番手のS Road MOLA GT-Rが追いついてくる。

 予選Q1でまさかの敗退となってしまったMOTUL GT-Rの松田次生も「明日の天候は良くなる方向なので、それならウチとしては戦える。12号車(カルソニックGT-R)、38号車(ZENT RC F)のグリッドがそんなに離れていないので、そこはウチにとっては良かった。Q1の結果にはがっかりしましたが、Q2の結果でまた救われた」と決勝に臨みを託せば、Q2のアタックでV字コーナーで2度オーバーランしてしまったZENTの立川祐路も「明日はドライになりそうなので、タイヤにしろクルマにしろ、ぶっつけ本番になる。ごちゃごちゃと荒れる展開になればチャンスがある」と、天候の回復を願う。

 日曜の決勝の天候は今のところ回復傾向にあるが、果たして、どのタイミングでドライコンディションとなるか。今週末初めてのドライコンディションでどこまでクルマのパフォーマンスを引き出せるかが勝負の分かれ目となる。決勝直前に行われる8分間の走行時間がとても重要なセッションとなりそうな気配だ。

本日のレースクイーン

佐々木美乃里ささきみのり
2025年 / スーパーGT
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