スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンで活躍、2006年はスーパーアグリからF1デビューも果たした井出有治は、自身のホームページで第一線のレースへの復帰に向けた活動を終え、新たな活動を行っていくと明らかにした。
井出は2010年までスーパーGT500クラス、フォーミュラ・ニッポンで活躍してきたが、2011年開幕を前に、12年シーズンに向けてレース活動を行わず、自チーム立ち上げを含めさまざまな可能性を模索する方向を打ち出していた。
その後もサーキットで姿を見かけることも多かった井出だが、4日、再びホームページでメッセージを発信。「これまで2年間レース復帰へ向けて様々な動きをしてきましたが、そのためのスポンサー活動を止めることにしました。理由としては第一線(スーパーフォーミュラ、SGT500クラス)へのレース復帰は難しいこと。自分の置かれている立場や環境はもちろん、一言でいえばドライバーとして必要とされていないからです」と語り、復帰に向けて、自らアクションをとっていく活動を止めると明らかにした。
オートスポーツwebの取材に対し井出は、「メーカーのサポートなしに、今のご時世でレースのための資金を集めるのは厳しかった。年齢的なこともあった」と語る。今後については、レーシングドライバーとしてではなく、「第二の人生として」考えていた事業を進めていくとのこと。
ただし、井出は今回の決断を「引退ではないです」と言う。「レーシングドライバーとして、(SF、GT500という)第一線から幅を広げて考えたい。乗るチャンスがあればジャンルは問わない」とのこと。今後に向けては「何らかの形で、レース界に恩返ししていきたいですね」と語ってくれた。