1日、2014年からスタートする電気フォーミュラカーの世界戦、FIAフォーミュラEにスーパーアグリ・フォーミュラEが参戦することが発表された。2006年から08年までF1に参戦、“純日本チーム”として日本人ファンを熱狂させたスーパーアグリF1チームの復活について、鈴木亜久里代表に聞いた。
06年、プライベートチームとして鈴木亜久里代表が自らの夢を実現させるべく、“純日本チーム”としてF1に参戦したスーパーアグリF1。多くの苦節を乗り越え、当時メーカーワークスが全盛期だったF1において佐藤琢磨を擁しポイント獲得を成し遂げたストーリーは、日本のF1ファンのみならず、世界中のF1ファンの心を掴んだ。
残念ながらチームは08年のスペインGPを最後に、資金不足によりF1から撤退。亜久里代表は国内に戻り、1997年から継続して活動してきたARTA Projectを継続し、スーパーGTをはじめ若手育成を続けて来た。そんな中飛び込んできたフォーミュラE参戦のニュースは、世界中のF1ファンをはじめ、驚きと喜びをもって迎えられた。
このプロジェクトは、これまでまったく噂も立たないまま秘密裏に進行されてきたが、スーパーGT第8戦のためにツインリンクもてぎを訪れた亜久里代表に、いつ頃からフォーミュラE参戦を検討していたのかを聞くと、「全然考えてなかったよ」という答えが返ってきた。
亜久里代表によれば、今回のスーパーアグリ・フォーミュラEプロジェクトは亜久里代表が主体となって活動するわけではなく、スーパーアグリF1時代にテクニカルディレクターを務めたマーク・プレストンと、チーフデザイナーを務めてきたピーター・マックールが、フォーミュラE活動を行うにあたり「スーパーアグリの名でやりたい」と声をかけてきたのだという。
「スーパーアグリF1のときみたいに僕が主体にやるわけではないけど、スーパーアグリF1の時のチームのメンバーが集まって、名前を使いたいというから。最初はそこからの始まりだね」と亜久里代表。
「昔みたいに僕が100%という訳ではないし、せっかくやるのだから一緒にはやっているけど、基本的にはマークが主体になってチームも会社もやっていくので、それを手伝ってあげられたらいいかな」
とは言え、亜久里代表も来季はフォーミュラEの現場に向かうという。
「時間があれば行きたいと思っているよ。もちろん自分の名前の付いているチームだからね。イギリスのメンバーが主体となって会社を作ってやっていくけど、できる限りの協力をしていくし、僕もサーキットに行くよ」と亜久里代表。
「今のARTA Projectでいっぱいいっぱいだよ(笑)。でも、楽しみだよね。頑張るよ」ともてぎをともに訪れたプレストンとともに、亜久里代表は笑顔を浮かべていた。