2011年F1にムーバブル・リヤウイングとKERSが導入されることで、ドライバーがコクピット内で多くの操作をしなければならず、難しいドライビングを強いられることになるだろうとの予想がなされている。
元F1ドライバーでBBC Radio 5 Liveの解説者を務めるアンソニー・デイビッドソンは、メルセデスGPのシミュレーターを使用した直後に、今季F1ドライバーたちは多数のボタンを扱わなければならず、難しい作業を強いられることになるだろうとコメントした。
「ドライバーたちは(操作を)理解しなければならず、大変な思いをするだろう。マシンの中でひとりであらゆることをこなさなければならないんだ」とデイビッドソンはオートスポーツ・インターナショナルショーにおいてコメントした。
「去年、Fダクトの操作のために、ドライバーはステアリングから手を離した。今年はステアリングかマシンのどこかにスイッチやボタンが配置され、(ムーバブル・リヤウイングの)操作のために同じようなことをしなければならない」
ドライバーは、ムーバブル・リヤウイングとKERSを操作しなければならず、当然通常のブレーキバランスやディファレンシャルの調整も行うことになる。
フェラーリのフェルナンド・アロンソは、先週行われたメディアイベントにおいて、新レギュレーションはレースの向上に役立つと思うが、多数のボタンを操作しなければならず、作業が複雑になることが問題だと述べている。
「うまくいくと確信しているが、ひとつだけ難しい問題がある。ステアリングホイールにたくさんのボタンがつくことになり、とっさに自分で判断を下してボタンを操作し、同時にマシンを走らせなければならないのだ」
「ウエットレースなどでは視界も悪くなるから、そういったこともチェックしなければならない」
「F1に革新的な新しいものが導入されるのは、常に喜ばしいことだ。すべての変更はF1というスポーツ、F1のショー的要素を向上させるためのものだ。だから、まだ試してはいないけれど、今の段階ではオープンかつポジティブに考える必要がある」
デイビッドソンは、コクピット内の操作が増えることで、ドライバーには速さと共に、冷静にデバイスを使いこなす頭脳も要求されると述べている。
「速さがあると同時に、数々のデバイスのことも考えられるドライバーたちが有利になるだろう。サーキットやマシンに、より余裕をもって臨めるドライバーが大きなアドバンテージを持つことになるだろうね。それから、シミュレーターを使用する時間をたくさんとれるドライバーたちもだ」