全日本F3選手権は29日、岡山国際サーキットで第6戦の決勝レースが行われ、2番手からスタートした中山雄一(PETRONAS TOM’S F312)が優勝を飾った。初のポールポジションを獲得した勝田貴元(PETRONAS TOM’S F312)はスタートからトップを走るも、エンジントラブルのためリタイアとなっている。
シリーズ第6戦と第7戦が行われる全日本F3第3ラウンドの舞台は岡山国際サーキット。29日(土)に予選と第6戦の決勝レースが行われ、30日(日)に第7戦の決勝レースが開催される。
第6戦の予選では、中山が開幕戦以来のポールポジションを逸し2番手に。代わってその座に就いたのはチームメイトの勝田で、唯一1分25秒を切る1分24秒969をマークしてトップに立った。3番手には野尻智紀(TODA FIGHTEX)がつけ、4番手に松下信治(HFDP RACING F312)と並んだ。F3-Nクラスでは、高星明誠(S Road NDDP F3)が開幕から6戦連続となるトップを獲得し、これにデビューレースとなる小河諒(Le Beausset F308)が続いた。
第7戦の予選は、温度の上昇によって全体的にタイムが伸び悩む中、中山が1分25秒415をマークしてポールを奪還。これに勝田、松下、野尻の順で続き、千代勝正(B-MAX・F312)は6番手に。F3-Nクラスでは、高星が引き続きクラス首位につけ、これで7戦連続のトップ獲得。2番手をナニン・インドラ・パユーング(PTT SPIRIT F307)が獲得し、3番手の小河を従えた。
午後2時前から行われた第6戦の決勝レースは、予選と同じく梅雨時にも関わらず好天に恵まれ、まさに絶好のレース日和に。「スタートは得意」と語っていた勝田がその言葉どおり好ダッシュを決め、中山を従えて1コーナーへ入っていく。これに野尻が続き、さらにスタートで千代が松下を抜いて4番手に浮上する。抜かれた松下はペースが上がらず、間もなくマシンを止めることとなる。
周回を重ねるごとに徐々に差を広げ、独走態勢に持ち込みつつあった勝田だが、7周目のバックストレートで突然白煙が! エンジントラブルに見舞われリタイヤと、天国から地獄に叩き落とされる形となってしまう。これにより中山が難なくトップに浮上すると、2番手には野尻、3番手に千代が繰り上がる。ただ、中山はこのふたりをまったく寄せつけることなく逃げ切り、鈴鹿サーキットでの第2戦から続く5連勝を飾ることとなった。野尻が今シーズン最高位となる2位に入り、千代は今季3回目の3位を獲得した。
F3-Nクラスでは、スタートを決めた高星がトップでレースを開始。2番手の小河にオープニングラップだけで1秒7の差をつけた。その後方で小河にプレッシャーをかけたいインドラ・パユーングは、スタートに出遅れ3ポジションダウンを喫すると、その後は小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)とともに激しいバトルを展開。ただ、2台は7周目のアトウッドコーナーで接触し、小泉が大きな遅れを取る形となってしまう。一方のインドラ・パユーングは踏み留まり、前を走る吉田基良の後退もあって総合8番手、クラス3番手に浮上。しかし、先行する2台に近づくことはできなかった。
その結果、逃げ切りを果たした高星はこれで開幕から土つかずの6連勝を達成。そして、小河がF3-Nクラスでの初レースを見事2位で飾ることとなった。