2012年F1第10戦ドイツGPは現地時間22日に当地のホッケンハイムリンクで67周の決勝レースが行われ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが三つ巴の争いを制し、通算30勝目となる今季3勝目を挙げた。ザウバーの小林可夢偉は終盤にファステストラップを記録するなどして自己ベストタイの5位に入った。
土曜日の予選から一転、晴れ間の広がった日曜日のホッケンハイムリンク。現地では決勝日の朝にレッドブルのレギュレーション違反の疑いが浮上するなど混乱もあったが、ペナルティが科されることなく2台は無事グリッドに。
しかし、予選3番手のマーク・ウエーバーはギヤボックス交換による5グリッド降格で8番手に。そのほかにも、ロータスのロメイン・グロージャン、メルセデスのニコ・ロズベルグが同様の理由で降格となったほか、ザウバーのセルジオ・ペレスも予選での進路妨害によて17番手からスタートすることになった。
レースはポールポジションのアロンソがスタートを決めてリードを奪うと、序盤から2番手を走るセバスチャン・ベッテルとマッチレースを展開する。トップのアロンソはそこから徐々にベッテルとのリードを広げ、1回目のピットストップの後にはその差を3秒以上まで広げることに成功した。
しかし、アロンソが固い方のミディアムタイヤを履いた中盤は逆にベッテルがその差を縮め、さらに7番手スタートからハイペースで順位を上げてきたマクラーレンのジェンソン・バトンがトップ争いに加わってくる。すると、パンクで周回遅れとなっていたルイス・ハミルトンが2番手ベッテルをオーバーテイク! これで前を塞がれる形となったベッテルを2回目のピットストップでバトンが逆転。勢いに乗ったバトンは、トップを走るアロンソまでも捕らえ、残り20周を残して1秒以内に迫った。
このアロンソ、バトン、ベッテルという3強のエース同士が繰り広げたファイナルバトルは、タイヤを最後までコントロールしたアロンソが見事にポジションを死守。逆にバトンは残り2周のところでベッテルの逆転にあい、3位でフィニッシュとなった。だが、バトンに対するベッテルのオーバーテイクはコース外にも及んだため、レース後に審議の対象となっている。
12番手からスタートしたザウバーの可夢偉は、上位勢とは異なるミディアムタイヤのスタートを選択。長めのファーストスティントで1回目のピットアウト後には9番手までポジションを上げると、中盤はトップ3と遜色ないタイムで徐々に順位を上げ、最後のスティントでは暫定ながらファステストラップも記録する走りを見せる。結局、4位のキミ・ライコネンを捕らえることはできなかったが、それでも自己ベストタイの5位でフィニッシュした可夢偉は、前戦までの悪い流れを払拭する快心のレースでさらなる成長を印象づけた。