12月21日〜22日の2日間、台湾南部のリゾート地、大鵬湾に2011年10月に建設された大鵬湾国際サーキット(ペンベイ・サーキット)で、『TSFアジア・オールスター・チャレンジ』というレースが開催される。そのレースを取材するべく、オートスポーツweb編集部ヒラノが台湾を訪れた。

●サーキットホテルは評価◎
 さて、決勝日の様子をお届けする前に、今回宿泊させていただいたサーキットホテルをご紹介しよう。旧日本軍の宿舎に耐震工事を施し改装しているらしく、見た目は木の風合を活かした感じ。ただ、リゾート地らしい作りで中は実に清潔。海外のホテルで、ここまでキレイなホテルは泊まったことがない……というくらいだ。このホテルに宿泊したドライバーも絶賛していた。

 ロビーはこんな雰囲気。ここからサーキットのパドックまでは、クルマで3分ほど。直線距離では歩けそうだが、サーキットをグルリとまわらなければならないのでやはりクルマが現実的。ちなみに、この一帯はリゾート地でもあるので、一般の観光客の宿泊にも適していそうだ。

 土曜の夜は、2013年の台湾のシリーズの表彰式が行われた。そこに、日本からやってきたドライバーたちも招きパーティが催されたのだが、こちらでは基本的に生演奏がついて当たり前……のような感じ。この夜もずっとライブが続く中での食事となった。

●『1万人』とはいかなかったが……
 明けて決勝日。この日は、地元当局も視察に訪れるなど、行政からの関心もある様子だった。

 予選日に比べても来場者数は増えたが、さすがにスタンドをいっぱいにするまでは至らず。ただ、訪れる人たちはいずれも熱心で、今後知名度が増えていけばますます盛り上がりそうに感じられた。

 今回、サーキット内にゲスト向けのホスピタリティを出しているのは2メーカー。ひとつはフェラーリ、そしてもうひとつはアウディ。こちらはル・マンやWEC同様の雰囲気をしっかり作り上げており、さらにセーフティカーも提供。せっかくいい“土壌”がある国だけに、日本メーカーも積極的にプロモーションに活用してほしいところだ。

 この日はピットウォークも開催。直前のレースで優勝を飾ったGAINER DIXCEL SLSには黒山の人だかり。全体で最も人が集まっていた。

 決勝日ということもあり、レースクイーンも増加。固定ファンもいる様子で、一眼レフを抱えたファンが熱心に写真を撮影していた。

 日本からも、エンドレスレディの麻倉はるなさん、會田ミナさんのふたりが台湾まで登場。なんというか、写真を撮っていても安心します(笑)。

 アウディのキャンギャルが集まっているところに行ってみると、なんとかわいらしい犬が。ただ、日本では基本サーキット内はペットは禁止。少々驚きの光景だった。

 スーパー耐久から参加の2チームは、“日本式”ピットウォークサービスを披露。子どもをコクピットに乗せてあげたり、ピット前に椅子を並べて、ドライバーと撮影できる時間を設けた。このあたりのファンサービスの手法も、是非現地チームには真似してほしいところ。


●コース上で起きた事件
 一方で、コース内では“事件”も。タイムスケジュールが急に変更になったり、少々のディレイは当たり前。極めつけは、写真の2台を走らせているD2チームがGTマスターのアマチュアクラスのレース直前に起こしたものだ。

 自分はターン4で写真を撮るべく待ち構えていたのだが、オフィシャルが親切に「コース上でトラブルが起きたから、10分間ディレイになる」と教えてくれた。すると、この2台がゆっくりと通過していき、何事もなかったのように10分遅れでレースが始まった。

 後から聞いてみると、このチームの2台は主催者側の不手際もありピットレーンクローズに間に合わず、怒りでコース上にマシンを止め、抗議したというのだ(下の動画参照)。それが認められその後レースに参加。主催者は後日、謝罪をHPに掲載している。これまた日本では考えられないことだが、今後台湾のレース界の発展のためにも、改善していく必要はあるだろう。

 ちなみに、フォーメーションラップを先導するセーフティカーがなぜか異様に速度域が高い。フォーメーションでは隊列置いてきぼりで走って行ってしまうし、コーナーではスキール音が鳴りまくっていた。

●日台でレース文化の発展を
 ずいぶん昔のカローラが走っていたりと、いろいろ新鮮な体験となった台湾でのレース取材。ただ、台湾の人たちは本当に親切で、モータースポーツを育てたい熱意、アジアでのモータースポーツ先進国である日本への敬意はひしひしと伝わった3日間となった。

「みんな楽しんでいるからいいよね。今後いいパートナーシップをもっていけたら、もっと良くなると思う」と脇阪寿一は語った。モータースポーツを通じ、日本が台湾に提供できるものは多い。今後ますます友好が深まることを願うばかりだ。

本日のレースクイーン

鈴川夏禾すずかわなつか
2025年 / スーパーGT
チームマッハ 2025 マッハ車検 アンバサダー
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